さくらインターネットは、2008年11月にホスティングサービス「専用サーバ」のプラン改定を行った。今回は、専用サーバがどのようなサービスでどんなプラン改定となっているのかを見ていこう。
専用サーバはその名が示す通り、1台のサーバを複数で共有するのではなく、1台丸ごと1ユーザーで専有してレンタルするというものだ。提供されるサービスは、「エントリー」「ベーシック」「RAID」「アドバンスド」――の4モデルに分けることができる。料金改定以前、「エントリー」以外はサーバとインターネット回線、OSが個別プランとして用意されていた。
今回の改定では、10M共有回線とサーバのレンタルをセットにし、提供されることになっている。つまり「よりシンプルにわかりやすいメニュー構成となっている」(さくらインターネット取締役副社長で企画部部長を務める舘野正明氏)のである。
エントリーとベーシック、RAIDの3つはいずれもさくらインターネットのオリジナルサーバとなっているが、アドバンスドはハードウェアの信頼性を求めるユーザー向けにNEC製のIAサーバ「Express 5800」シリーズをレンタルすることができる。ベーシックとRAIDでは、初期費用を支払うことになるが、エントリーとアドバンスドでは初期費用がゼロ円となっており、月額料金を支払うだけで利用できるようになっている。これは「ユーザにあわせて料金形態にコントラストをつけるようにした。初期費用無料のモデルは初期費用有料のモデルと比較すると若干月額料金が高めとなるが、イニシャルコストを抑えたいと考えるユーザにとってはメリットは大きい。」(舘野氏)という配慮からだ。 料金にコントラストをつけたという意味では、オプションサービスとして回線のアップグレードサービスとメモリアップグレードの料金も値下げされている。
複数台接続は4台まで
これまでの専用サーバでは、サーバを複数台構成する場合は3台までとなっていたが、今回からは4台までが可能になっている。
オプションサービスとして提供される複数台接続とは、ローカル側を専用のスイッチで接続でき、インターネット回線を介さないサーバ同士の複数台接続も可能だ。インターネットに公開しないサーバの設置、あるいはインターネット回線を使わずにサーバ間データ転送を行うようなセキュリティレベルの高い運用を希望するユーザー向けということができる。たとえば、4台あるうちの1台をインターネットに公開しないデータベースサーバとして利用することができる。
「複数台接続の数を増やすことで、サービスの柔軟性を高めました。これでサービスメニューの品揃えを増やすことができたと思っています」と舘野氏は、その意味を強調している。
次回は、さくらインターネットが提供する大規模構成も可能なもう一つのホスティングサービスである「専用サーバ Platform」を見ていこう。
