サプライチェーン管理システム(SCM)パッケージを開発、販売するManhattan Associatesは米アトランタに本社があり、世界で1200社のユーザーを抱える。2008年で3億3700万ドルの売り上げ規模があるという。
研究開発投資に売り上げの13~14%を当てているという同社は、日本で小売業やアパレルの分野で多くの顧客を抱えており、サードパーティーロジスティクス(3PL)にも注力している。日本の製造業は3PLに依存する部分が大きいからだという。たとえば伊藤忠ロジスティクスも同社の顧客だ。同社のArnold Consengco氏(アジア地区責任者)に、同社製品の強みを聞いた。
複数業種の業務フローを単一システムで管理
――あなたがたのSCM製品の強みを教えて下さい。小売りやアパレル、3PLなど複数の業種で使われていますが、それを一つのソリューションで管理できるのでしょうか?
Consengco 業界に合わせた業務フローの知識、つまり「Supply Chain Intelligence」を製品に組み入れていることが私たちの製品の特徴です。たとえば倉庫の管理では、物流だけでなく、倉庫で働く作業員の管理業務も発生します。受発注業務、在庫管理、作業員の管理、これらはすべて関連があります。
私たちの製品では、これらの業種ごとに異なった知識を製品に組み入れています。そのため、複数業種の業務フローを一つのシステムで管理でき、可視化できるのです。
マルチチャンネルへの柔軟な対応が可能であるこることも大きな強みです。たとえば、小売店や顧客からの直接注文、ネットショッピング、テレビ通販、メールオーダーなど、さまざまな発注方法がありますが、それらに同時に対応します。特にテレビ通販は受注量が大きく変動することが特徴です。
このような受注量の変化に対応して在庫・物流も管理する必要がありますが、それは私たちの製品の得意分野なのです。急増する需要に対応して在庫最適化を行います。時には出荷先をダイナミックに変化させるような最適化にも対応します。
――可視化について教えて下さい。どのようなことが可能になるのですか。
Consengco 私たちの製品の特色は、業務フローの中で生まれた一つのビジネスオブジェクトの誕生から消滅までを一貫してサポートすることです。
たとえば「発注書(Purchase order:PO)」というビジネスオブジェクトは、業務フローの各段階で最新の情報を保持しつづけます。そこで、一つのユーザーインターフェース(UI)により最新の情報を見ることができます。ほかのシステムのように、受発注システム、在庫管理システムなどを別々に調べなくてよいのです。