マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは2月25日、業務アプリケーションの品質向上を促進するビジネスプロセスのテストツールの最新版「Mercury Business Process Testing 8.2」を発表した。このツールは、アプリケーションの品質管理を自動化するための統合ソリューションである「Mercury Quality Center」の中核を成すツールだ。
ビジネスプロセスとは、ビジネスの目的を達成するために行われる一連の作業のことだ。たとえば、メーカーなら製品の受注や部品調達、生産、配送、販売、アフターサービスなどの各業務作業の流れ(工程)があり、各業務には情報システムが使われている。新たにビジネスやサービスを開始するには、こうしたビジネスプロセスをどのようにするか決めるのはもちろんだが、同時に一連のプロセスを効率的に行う情報システムの設計も重要になる。
そこで、業務アプリケーションがビジネスの要件を満たし、正しく機能するかどうかを検証するテストが必要になる。同社のマーケティング部の岡崎義明氏は「ビジネスプロセスのテストは、業務設計者が手書きで作成したテスト設計書に基づいて、テストエンジニアが自動テストツールなどを使って行われるのが一般的だが、これでは十分なテストができずに問題が多い」と語る。それは、業務内容には詳しいがシステムには精通していない『業務設計者』がテスト設計書を作成し、システムには詳しいが業務内容については精通していない『テストエンジニア』がテストを実行するため、こうしたギャップからテストが漏れたり、膨大な時間を費やしたりしているという。
こうした問題を解決するため、新製品のMercury Business Process Testing 8.2では、システムのプログラミングなどに詳しくない業務担当者が、テストエンジニアに頼らずにウェブベースのインターフェースを使って、プログラミングをしなくてもビジネスプロセスに則した業務アプリケーションのテスト作業を構築し、自動で実行できる。
具体的には、業務担当者がまず業務プロセスに合わせて、たとえばオンラインショップなら「ログイン」「商品検索」「買い物かごに入れる」などのビジネスコンポーネントを定義する。そして、それに必要な「入力ボックス」「選択ボタン」といったアプリケーションのオブジェクトを選択してコンポーネントの基本を作成する。次に、作成した各コンポーネントをマウスでドラッグして1つのビジネスプロセスとして集めれば、ビジネスプロセステストが自動的に作成されて、実行可能になる。
こうすれば、テストエンジニアはテストのためのインフラ整備するだけで、テスト作業を構築する手間がなくなるので、業務アプリケーションの単体テストやシステムの結合テストなど、本来のテスト作業に集中できる。また、業務アプリケーションの完成を待たなくてもテストの設計と準備を始められるので、テスト期間の短縮や効率化を図れる。
Mercury Business Process Testing 8.2 日本語版の税抜き価格は32万円(1ユーザ)から。また、このバージョンアップに合わせて、統合ソリューション「Mercury Quality Center 8.2」を構成する他のツール群もバージョンアップした。テスト工程全体の一元管理を支援し、Business Process Testingを利用するのに必須な「Mercury TestDirector for Quality Center 8.2 日本語版」が480万円(5ユーザー)から。アプリケーションの操作をテストシナリオとして記録する「Mercury Quicktest Professional 8.2 日本語版」が96万円(1ユーザーシートライセンス)からとなっている。いずれも2月25日に販売が開始されて、3月4日に出荷される。