富士通は6月初旬から順次、CPUの動作周波数を従来の1.89GHzから2.16GHzに向上させたSPARC搭載UNIXサーバ「PRIMEPOWER」を出荷する。価格は、1台の筐体に128CPUまで搭載可能な最上位モデル「PRIMEPOWER 2500」の場合、8個のCPU搭載時に1億1585万円から、128CPU搭載時に8億円程度から。販売目標台数は今後2年間で3万2000台。
PRIMEPOWERは富士通製のUNIXサーバである。米Sun Microsystems製UNIXサーバ「Sun Fire」のOEMとは異なるものの、CPUにSPARCを搭載し、OSにSolarisを用いる。今回新たにSPARCの動作周波数を上げ、2.02GHz、2.08GHz、2.16GHzの3種類の動作周波数を用意した。開発プロセスは90ナノ・メートル。2006年中旬には、PRIMEPOWERとSun Fireの製品ラインを統一化した新サーバを出荷し、2.4GHz動作でデュアル・コア、マルチスレッドのSPARCを搭載する。
今回出荷する新CPU搭載サーバの性能は以下の通り。整数演算性能のベンチマークであるSPECint2000の値は、2.16GHz動作のPRIMEPOWER 900で1594。AMDのOpteronやIntelのPentium4など高周波数動作のCISCプロセッサには及ばないものの、RISCでは1.6GHz動作のItanuim2の性能を押さえている。アプリケーション実行性能のベンチマークである独SAPの2階層SD(販売管理)ベンチマーク値は、128個のCPUを搭載したPRIMEPOWER 2500で2万1000同時ユーザー、平均応答時間1.91秒である。