「テープ装置は魅力的なビジネス分野」:サンCEOがアナリストに反論

Andrew Donoghue(ZDNet UK)

2005-06-10 12:30

 スコットランド・グラスゴー発--Sun MicrosystemsのCEOであるScott McNealyが今週、ある批判を口にした。

 McNealyは、Sunが当地で主催するExecutive Forum and Golf Marathonでスピーチを行い、IBMやMicrosoftといったこれまでの批判対象に、グリッドコンピューティングとオープンソースを仲間入りさせた。

 Sunは先週41億ドルでテープストレージ装置メーカーStorageTekを買収すると発表したが、同買収にはSunの財政難を改善するほどの効力はないとアナリストらは述べている。これに対しても、同氏は次のように反論した。

 「誰もが『テープなどつまらないしろものだ』と言う。だが、もしわたしが顧客の元へ出向いて行き、御社のバックアップテープを紛失してしまったと告げたらどうだろう。相手はすぐさま怒りを爆発させるに違いない」(McNealy)

 もっとも、StorageTekの買収に巨額の経費を費やしたことで、同社の財政がやや逼迫(ひっぱく)していることはMcNealyも認めている。「StorageTek買収以前は、74億ドルの現金を所有していた。この買収で懐が少々寂しくなったことは否めない」(McNealy)

 McNealyはまた、Sunは同買収によって、競合他社を凌駕する完全なストレージ管理サービスを顧客に提供できるようになると述べ、StorageTekの製品はSunの既存の階層ストレージ管理ソフトウェアと適合していると語った。

 「EMCから購入できるのはピストンリングだけだが、Sunならトラック1台まるごと提供できる」(McNealy)

 McNealyは大の車好きであることでも知られている。同氏は、コンピュータ業界の問題点を指摘したり、その問題点をSunのユーティリティコンピューティング技術でどう解決できるかを提案したりするのに、しばしば車を使った比喩表現を口にする。

 McNealyは、企業は利用時払いが原則となっているグリッドコンピューティングを利用して、処理能力やホストアプリケーションの必要性をまかなうべきであると主張する。また、そうしたニーズのために何百万ドルも支出している現状を見直すべきだと、同氏は付け加えた。両者の差異は、荷物を運ぶのに一からバンを製造することと、FedExを利用することの違いに匹敵すると、McNealyは得意の比喩を使って表現した。

 Sunは、グリッドコンピューティング分野のリーダーになることを切望している。グリッドコンピューティングとは、複数のユーザーが大きなネットワーク上のコンピューティングパワーを共有する技術だ。

 McNealyの批判対象には、オープンソースも含まれていた。McNealyは、LinuxオペレーティングシステムはSunの「Solaris OS」やMicrosoft Windowsと比べて安価であるとか、無料であるといった固定観念をやり玉に挙げている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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