CRM(顧客関係管理)関連ソフトを開発する米Onyx Softwareの社長兼CEO、ジャニス・アンダーソン(Janice P.Anderson)氏が7月12日に来日。日本法人であるオニックス・ソフトウェアとともに、ZDNet Japanに対して今後の戦略を語った。
--従来Onyx Softwareは、中小企業向けにCRMソフトを提供してきた。今後の戦略を教えて欲しい
今年(2005年)の春、新たな戦略を発表した。1つは、従来よりも規模の大きな顧客も対象としていくという点、もう1つは、従来のCRMの枠を超える製品の提供だ。
対象とする企業規模は、ずばり中規模以上だ。かつては、売上規模で3億〜5億ドル規模の中小企業を対象にしていた。こうした中小企業はITシステムや業務が整備されておらず、複雑な業務を処理しなければならないという状況がある。Onyxは、こうした需要に応えるものだ。
新たに提供を始めた製品の1つが、CRMとビジネス・プロセス管理を合体させる製品である。従来から顧客の情報を収集して社員に提供する機能や顧客関係のワークフローの一部を自動化していたが、これに新たにビジネス・プロセス技術を付け加えた。顧客関係のワークフローやタスク、バックオフィス業務に至るまで自動化できるようにした。
もう1つの製品は、業績管理ソフトだ。収集したデータの分析、レポーティング、ダッシュボード関連の機能を持つ製品だ。加Cognosが開発した帳票作成ソフト「Cognos ReportNet」にOnyxのデータモデルを付け加えて完成した製品だ。CRMを使って収集したデータを、即座に、かつ効率よく参照して活用できるようになる。
業績管理ソフトへの要求は会社によって異なる。トレンドを調べたい企業もあれば、予算と実績の差異を知りたい企業もある。重要なことは、即座にこうした需要を解決するツールを提供できるということだ。
--チャネル戦略を教えて欲しい
米国では残念なことにまだパートナのネットワークが脆弱だ。今後はSIベンダーやディストリビュータなど、パートナを増やしていきたいと思っている。Onyxには直販の部隊もいるが、今以上に売上額を伸ばすには、パートナ戦略は極めて重要だ。
米国やワールドワイドの平均値に比べると、日本はパートナ戦略が成功を収めている国だ。日本ではライセンスの売上げ額が一番大きく、コンサルを含めたサービス額は低い。パートナ経由での間接販売ではサービス額が相対的に低くなるということだ。
日本の2004年の売上げ比率は、ライセンスが50%、サービスが40%、保守が10%だが、2005年の計画では、ライセンスが55%、サービスが37、保守が9%と、さらにパートナ経由での比率を上げる。なお、日本の売上額はワールドワイドの6%であり、ライセンス収入に限れば14%を占めている。
パートナは、特定の業界に長けているといった、我々にはない強みがある。Onyxの製品をベースに付加価値を付けて販売するパートナも多い。パートナとの関係を強めることは、ビジネスとして良いやり方だと思っている。
注)日本法人オニックス・ソフトウェアの販売代理店となるシステム・インテグレータは全7社で以下の通り。伊藤忠テクノサイエンス、NEC、NECソフト、NECネクサソリューションズ、NTTコムウェア、富士通、富士通ソシアルサイエンスラボラトリ。