相変わらず多くの企業が、複雑なプロジェクトを推進しようとするあまり、ERPシステムに多額の費用を投じる結果になっていることが最新の調査から明らかになった。
この調査では、人事管理や財務会計システムの構築で正攻法のアプローチをとらない企業は、結果的により多くの費用を支払わされることが判明した。この調査はHackett Groupによって実施された。同社は、調査結果を7月末に正式発表する予定だ。
Hackett Groupのリサーチャーによれば、複雑なシステムを構築する企業は、シンプルな戦略を立てる企業と比べ、従業員1人当たりにかかるシステム費用が経理業務においては30%、人事業務においては18%多いという。同社は、今回の調査で2000社以上の企業を対象にインタビューを行った。
また、取引するERPベンダーの数や、アプリケーションのカスタマイズ量が少ない企業の方が、大きなアプリケーション導入効果が得られると、Hackett Groupは述べる。
また、Hackett Groupは、機能ごとに異なるベンダーを使う「最良の組合せ(ベストオブブリード)」と呼ばれるアプローチを採用してERPシステムを構築する企業は、費用の削減に苦戦していると付け加える。また、アプリケーションをたくさんカスタマイズする企業も、費用面で苦戦している。
「経費を削減するためには、使用するアプリケーションを限定すると同時に、ソフトウェアをどれほど単純化できるかを調査する必要がある」とHackett GroupのアナリストDavid Hebertは述べる。「カスタマイズという名目で、企業はあらゆる機能をシステムに追加してきた。なかには、何が追加されたのかを把握していないケースもある。最終的に完成したERPシステムは、サポートやアップグレードが困難な代物となっている」(Hebert)
Hebertによれば、取引するERPベンダーの数を1〜2社に絞っている企業さえ、ソフトウェアの価格やカスタマイズには注意を払う必要があるという。その理由として、OracleやSAPなどが提供する総合的な「エンタープライズスイート」製品は、複雑な構成になっている場合が多いことを同氏は挙げている。また、同一の製品を稼働させているにも関わらず、バージョンが異なるため、経費が高くつく結果になっている企業が多いとHebertは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ