オープンソースJavaに取り組むSourceLabsが、いまだ開拓されていない道を歩み始めた。
シアトルに本拠を置く新興企業SourceLabsは米国時間2日より、Java開発者の間で草の根的な支持を獲得しているオープンソースツールの無料提供を開始した。また同社はSASHのサポートおよびメンテナンスサービスを販売していく。
SourceLabsは、このツールのコンポーネントを呼び表すのに、Apache Struts、Apache Axis、Spring Framework、Hibernateを総称する「SASH」という名称を考案した。
これらの開発ツール(フレームワーク)は、Javaアプリケーションの開発をスピードアップするよう設計されており、開発およびマーケティングを専門に行う大規模なベンダーが存在していないにも関わらず、広く利用されている。
SourceLabsは、オープンソース製品のサポートおよび認証サービスをサブスクリプション形式で大企業に提供している。同社は、Microsoftの元経営幹部Brad Silverbergの支援を受け2004年に設立された企業で、初めて提供したサービスは、AMP(Apacheウェブサーバ、MySQLデータベース、PHP開発言語の略称)スタックに関わるものであった。
SourceLabsは、SASHオープンソースツールをさまざまに組み合わせて使用する企業ユーザー市場が存在していると考えており、同Java製品の提供をもって、これを開拓していく意向だ。
「SourceLabsは、業界でも初めてこのスタックを識別して各要素を統合し、コンポーネントの総合的な検証を行った。こうすることで、同スタックを利用するユーザーが確実にサポートを受けられるようにしたのである」と、同社CEOのByron Sebastianは話している。
SourceLabsでは、複数のコンポーネントをまとめてダウンロードできるようにし、これを無料で配布して、顧客に一本化されたサポートを提供する予定だ。
Javaアプリケーションサーバのサポートサービスをすでに提供している企業としては、JBossや、5月にGluecodeを買収したIBMなどがよく知られている。
しかしSebastianは、Javaを使用している大企業に聞き取り調査を行った結果、SASHに力を入れていくことを決定したという。SASHの一部はすでにデファクトスタンダードとなっている。
オープンソースのJavaコンポーネントは、業界からのサポートを確実に獲得し始めている。
例えば、6月に開催されたJavaOneカンファレンスでは、BEA Systemsが、Java開発者によるApache StrutsおよびSpring Frameworkの利用を実現するため、自社のプログラミングツールとアプリケーションサーバを修正すると表明した。
Apache Strutsは、ウェブアプリケーションの開発速度を向上させるために利用され、またSpringは、サーバサイドのJavaプログラム開発を容易にするよう設計されたものだ。一方Hibernateは、データベースを活用するプログラムを記述するツールで、Apache Axisは、Webサービスプロトコルを用いるアプリケーションの開発用ツールである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ