トレンドマイクロ、スパイウェアやウイルスの感染マシンを自動復旧させる新製品

別井貴志(編集部)

2005-10-26 15:58

 トレンドマイクロは10月26日、HTTP/FTPゲートウェイ向けセキュリティ対策製品「InterScan Web Security Suite 2.5(ISWSS)」と、ウイルス対策ソフトウェア導入の有無に関わらずクライアントコンピュータのウイルスやスパイウェアを削除、復旧する専用サーバ製品「ダメージクリーンナップサービスサーバ 3.0」を発表した。両製品共に出荷開始は11月28日からだ(ISWSSのSolaris版とLinux版は2006年第1四半期)。

 ISWSSは、ウイルスやスパイウェアの感染源になる不適切なウェブサイトやフィッシングサイトへのアクセスを禁止するほか、HTTP/FTP経由で外部に送信しようとする不正なデータを阻止する。シスコシステムズ製のWeb Cache Communication Protocol対応ルータや、レベル4スイッチとの連携により、クライアントのブラウザを設定しなくても利用できる透過型プロキシ機能をサポートした。

 また、不正なURLへのアクセスを防止するURLフィルタリング機能「Webセキュリティ強化オプション」や、不正な署名やコマンドが含まれたJava AppletやActiveXのダウンロードをブロックする「モバイルコードセキュリティオプション」もある。

 標準価格(税別)はいずれも1000アカウントあたりで、ISWSSが133万円、Webセキュリティ強化オプションが133万円、モバイルコードセキュリティオプションが5万円。ライセンス数に応じて割引料金が適用されるボリュームディスカウント制を採っており、この価格は1年間のサポートサービス料金とライセンス数あたりの使用許諾料金となっている。2年目以降も、バージョンアップやデータベースのダウンロード等のサポートサービスを継続する場合は、1年ごとに契約を更新しなければならない。契約更新料は、標準価格の半額となる。

 一方、ダメージクリーンナップサービスサーバ 3.0は、ネットワークに接続されているクライアントコンピュータにウイルス対策ソフトが導入されていなくても、サーバで設定したスケジュールか手動でウイルスやスパイウェアの検出、削除、システムの自動修復が実行できる。クライアントコンピュータに特別なソフトウェア(エージェント)をインストールする必要はない。ただし、対象のクライアントコンピュータに対してサーバ側で管理者権限を事前に設定していることが必要で、管理者権限のないクライアントコンピュータやWindows 9x系の場合は、ブラウザを経由した手動ツールでこうした機能をサポートする。

 標準価格(税別)は1000アカウントあたりで141万円。ISWSSと同様にボリュームディスカウント制だ。

 両製品を連携させれば、ダウンロードされたウイルスやスパイウェアなどの動作を検知して感染したクライアントコンピュータを特定し、そのコンピュータのシステムを自動的に復旧することが可能になる。

 同社は、米Radicati Group社の調査結果として、全世界でスパイウェア対策をしているユーザー数は2005年で1600万人だが、2009年には約30倍の5億4000万人を突破するとの予測を示した。また、企業のスパイウェア対策費用は、年間約1億ドルが費やされ、2009年には10億ドルを超える見込みだという。そのため、「企業の機密データなどを漏えいする脅威の1つであるスパイウェア対策は急務だ」とし、「今回の製品も含めて、トレンドマイクロのゲートウェイ製品群の売り上げを前年比50%増にすることを目標にしている」とした。

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