第3回 単一の情報ソースの提供〜データウェアハウスとデータマート〜

堀内秀明(ガートナー ジャパン) 2005年11月24日 23時00分

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 前回のコラムでは、品質の高いデータとはどのようなものであるかについて解説した。高品質のデータを提供するめどが立てば、次はそのデータを活用することを考えることになる。今回のコラムでは、BI(ビジネスインテリジェンス)を長期的な成功に導くデータ活用基盤とはどのようなものかについて解説する。

BIインフラストラクチャはどうあるべきか

 BIへの投資から最大の成果を得るための留意点として、まずはBI向けインフラストラクチャに求められる要件を再確認する。BI向けインフラストラクチャと、OLTP(オンライン・トランザクション処理)向けのインフラストラクチャの要件には多くの共通点があるが、BI向けならではの独自に考慮すべき点もある。

 まず、初期設計の段階では見過ごされがちだが、データの量的拡大に加えて、ユーザー数の増加や照会の複雑性の増大が想定される。社内に導入したばかりのBIプロジェクトが成功すると、データの価値を知ったエンドユーザーが、さらに多くのデータを求めるようになる。そのため、データの規模的な拡大に加え、求められる処理能力の増大も急速に進むという現象が一般的に多く見受けられる。このような急速な成長に容易に対応可能なスケーラビリティーが重要な要件の1つとなる。

 また、必ずしもBIだけにとどまる課題ではないが、管理の容易性も重要な要素である。テラバイト級のデータウェアハウスを維持するのは専任の管理要員を要する業務であり、TCO(総所有コスト)へのインパクトは大きなものになってしまう。可能な限り少ない要員で運用できるようにすべきであると考えられる。

 次に重要な点としては、リアルタイム性の高い意思決定のサポートが可能であることが挙げられる。ビジネス環境の変化はますます早くなり、重大な意思決定が求められる場面がいつ訪れるかは予想できない。BIが競争力強化のための手段であることを考えると、その要件も競合環境の変化に伴って大きく変化していくことが予測される。分析要件の変化が生じるたびに、データ基盤の再構築が求められるようでは、適切なデータ基盤が構築されたとは言い難い。

 BI向けに独自に考慮すべき最も重要な要件は、同じ質問に対して、システムによって異なる答えが返ってくるような状況を排除するということ、いわゆる“Single Version of Truth(ただ1つの真実)”の実現である。ある1つの課題を解決するにあたり、複数のシステムを参照することによって、相矛盾する結果が得られるようでは、データや分析結果に信頼を置くことはできない。

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