沖電気工業は12月26日、同社のIPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE Server SS9100」をベースとしたIP電話システムを、サッポロビールに納入したことを発表した。
サッポロビールは2002年、通信コストの削減を目的として、全国各地の拠点に沖電気のVoIPゲートウェイ「BVシリーズ」を導入。各拠点の既存PBXにVoIPゲートウェイを接続し、IP-VPNを拠点間の通信インフラとして利用することで、拠点間の音声通信コストを削減できた。この導入から3年が経過し、既存PBXが老朽化。また、拠点ごとに発生している通信機器の管理コストの削減が課題になってきた。サッポロビールでは、これらの問題を解決し、さらには業務スタイルの革新を目指した社内電話システムの更改を検討した結果、SS9100による全国の拠点を一元管理できるIP電話システムの採用を決定した。
SS9100はサッポロビール本社に設置され、各拠点の電話機を一元的に制御する企業内IPセントレックスシステムを構築する。これにより、各拠点に置かれた既存のPBXやVoIPゲートウェイは不要になり、通信機器の管理コストを低減することが可能になる。
企業内IPセントレックスへの移行にあたって、沖電気のインターワーキングゲートウェイ「BV8000 IWG」も設置。IPセントレックスに移行前の拠点で既存VoIPゲートウェイと接続できるようにする。これにより、準備が整った拠点からの段階的な移行を可能にする。
移行後の拠点では、固定のIP電話機と共にFOMA/無線LANデュアル端末を導入する予定で、内線/外線とも1台の端末から通話できる「モバイルセントレックス」を構築する計画。また、各拠点から一般電話への通話は、日本テレコムの「おとくライン」を採用する。
現時点で、すでに本社の「SS9100」設置は完了。各拠点における企業内IPセントレックスへの移行は10月末から順次進められており、2007年には同社の全国43拠点においてIP電話機約1800台、FOMA/無線LANデュアル端末約900台を結ぶ、大規模な企業内IPセントレックスが完成する予定。サッポロビールでは、年間約1億円のコスト削減を見込んでいる。