NECは1月5日、新しいシステム構築(SI)統合開発環境「SystemDirector Enterprise」の販売を開始した。SI作業における開発方法論、開発基盤、サポートサービスを体系化しており、オープン技術を用いた中/大規模SIに適しているという。税別価格は400万円から。2006年3月に出荷を開始する。
新SI統合開発環境について、NECは「開発方法論で個々の開発業務を標準化し、業務間で重複している作業の無駄を省き、並行作業を可能とする業務プロセスを確立した」と説明する。開発基盤では、この開発方法論に基づいて開発作業を実行できるようにするため、リポジトリおよび標準設計モデル、複数工程の並行作業を可能とする機能、.NET Framework2.0準拠のアプリケーションフレームワークなどを採用した。
たとえば、Java系の開発作業ではリポジトリを、.NET系では標準設計モデルを用い、上流工程と下流工程とを連携させる。これにより、上流工程の成果物を下流工程で再入力することなく活用可能とし、上流工程での仕様変更を各工程で共有/同期する。
プレビュー実行機能を利用すると、詳細な画面イメージや画面遷移の状況を業務プログラムの作成前に表示できる。その結果、ユーザーから確認を得た画面用プログラムをそのまま業務プログラムの開発に引き継げるようになり、前工程に戻って修正を行う手戻りの発生を抑え、効率的な開発が実現する。
海外の開発拠点も含む分散開発環境向けとしては、早い段階でバグを発見/修正し後工程への影響を取り除けるコンポーネント・テスト機能を用意し、各拠点および工程の並行作業を可能とする。
NECでは、「新SI統合開発環境によって生産性を最大30%改善するとともに、品質面での向上も実現できる」としている。今後3年間で1500システムを販売する計画だ。