NECは1月30日、既存の無線インフラを活用することで、高速に移動するバスや列車などの乗り物からブロードバンドインターネットに接続できるシステムを低コストで実現する「BBRideシステム」の実証実験を開始したことを発表した。
BBRideシステムは、既存の携帯電話網や無線LANなど、複数の異なる無線回線を高効率に束ねる多重化技術(モバイルインバースマックス)や最大16個の通信インタフェースを搭載可能な車載型モバイルルータの開発などで実現したもの。乗り物内に設置されたモバイルルータと地上のインターネット接続局に設置されたホームエージェントをつなぎ、ADSLと同程度の帯域を持ち、安定したネットワークを構成できる。
今回の実験は、高速バスを使用して行う。NECコンピュータテクノ、京王自動車、山梨交通観光バスが協力する。期間は、2006年1月から3月までの3カ月間。東京都府中市と山梨県甲府市を結ぶ法人向け路線バスにおいて、乗客に走行中のバス内からのインターネット接続を体験してもらう。
NECでは、実証実験を通じて乗客の利便性と事業性を両立させるシステム運用課題の抽出、実サービスに向けた運用手順の確立を行い、渋滞や活用可能な無線インフラの状況など、さまざまな環境変化に対処できるよう完成度を高めていきたい考えだ。