EMCジャパン、新ストレージアレイと仮想化技術で「物理的にも論理的にも統合を」

藤本京子(編集部)

2006-02-09 19:57

 EMCジャパンは2月9日、ストレージ統合を実現するための製品群を発表した。EMCでは、データを作成してから廃棄するまでの流れを効率よく管理するための「情報ライフサイクル管理(ILM)」戦略を推進しているが、同日発表されたストレージアレイや仮想化プラットフォーム製品は、企業のILMを支援するものとなる。

 今回発表されたのは、ストレージアレイ「EMC Symmetrix DMX-3」の拡張版およびエントリーレベル製品と、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)の仮想化プラットフォーム「EMC Rainfinity Global File Virtualization」、ストレージエリアネットワーク(SAN)の仮想化プラットフォーム「EMC Invista」だ。

 Symmetrix DMX-3の拡張版では、単一ストレージで2400台搭載1ペタバイトまでの拡張性を実現した。また、エントリーレベル製品は、ディスクドライブ96台搭載の7テラバイトから構成が可能だ。単一アレイのパフォーマンスと容量を段階的に拡張することで、階層型ストレージを1台で実現できるのが特長だ。

 EMCジャパン 執行役員 マーケティング 兼 パートナー営業統括本部長の古谷幹則氏は、「ストレージを統合すれば、利用率や可用性、管理性が向上するが、ハイエンドストレージを統合する場合、初期導入が高価で階層化も困難だった。こうした課題を解決できるのがDMX-3だ」と、新製品をアピールした。DMX-3は、7テラバイトの価格が1憶1204万5500円(税込)となる。

EMCジャパン社長のNeiheisel氏(左)と、執行役員の古谷氏(右)

 Rainfinityは、EMCが2005年8月に買収したRainfinity社が持つ仮想化技術に基づいた新製品となる。同製品を導入することで、マルチベンダーのNASを1つにプール化できる。新製品にて追加されたグローバルネームスペース管理機能では、IPネットワーク上のファイルサーバにあるファイルとファイルシステムがすべて統合的なインターフェイスで管理できる。また、IPネットワーク経由の同期型レプリケーション機能も新たに加わった。

 一方Invistaは、SAN環境における情報統合を可能にする製品で、Cisco Systems、Brocade Communications Systems、McDATAの3社スイッチベンダーが提供するSAN用スイッチと、仮想化機能を持つソフトウェアを統合したソリューションだ。日本における販売は今回が初となる。

 価格は、Rainfinityが936万7050円(税込)から、Infinityが2556万7500円(税込)からとなる。

 EMCでは、統合には2つのアプローチがあるとしており、古谷氏は「物理的な統合と論理的な統合の2つを組み合わせたHyper Consolicationが必要だ」と話す。物理的な統合を実現するのがDMX-3で、論理的な統合を実現するのがRainfinityやInvistaとなる。

 EMCジャパン 代表取締役社長のEdward Neiheisel氏は、「今回発表した新製品のみならず、2006年はソフトウェア、ハードウェア、サービスのすべてにおいて数多くをリリースする予定だ」としている。また、日本市場向けのソリューション開発チームを国内に新設することや、社員研修の強化、人員を25%増加させることなどで、「市場成長率の2倍の成長を目指す」と意気込みを見せた。

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