EMCとIBMは米国時間3月22日、両社の技術提携契約に関して、ミッドレンジサーバ「iSeries」を対象に含めるなどの新たな方針を発表した。
このライセンス合意の下、EMCは、ストレージの互換性を実現するインターフェースと、iSeriesの技術サポートの提供を受けることになる。iSeriesは、IBMで最も売れているミッドレンジ分野の主力製品だ。
5年契約となっている両社の提携は、顧客がEMCのストレージとiSeriesシステムを組み合わせて利用するのを支援するものである。EMCは同提携について、「IBMの『i5/OS』オペレーティングシステムと、EMCの『Symmetrix』ネットワークストレージシステムおよびソフトウェアの間の互換が可能になる」と説明している。
IBMは、EMCのネットワークストレージシステムをIBMのiSeriesシステムに接続させるための技術仕様書とソフトウェアの新版を、EMCの技術者に提供する予定だ。同提携契約の金額面の詳細は明らかになっていない。
IBMの知的財産ライセンス担当バイスプレジデントBrian Connors氏は、「この提携は、IBMがオープンイノベーションに貢献していることの現れであり、業界標準化を目指す当社の方針とも一致している」と述べている。
IBMはここ数カ月の間に、同社の完全なプロプライエタリフレームワークを外部に開放するようになり、iSeriesの魅力を高める努力を続けている。EMCのストレージに対するサポートも、プロセッサやハードウェア、ストレージ、OS、システムソフトウェアをすべてIBM製のもので統一する体制から徐々に脱却するというアプローチに従った、新たな取り組みである。
こうした取り組みの一環として、IBMは2006年1月に、iSeriesを初めてiSCSIに対応させた。
EMCとIBMがライセンス契約を最初に発表したのは、2003年10月のことである。これによりEMCは、IBMの一連のストレージインターフェースおよびユーティリティへアクセスできるようになった。両社は、オープンスタンダードに基づいたインターフェースの交換にも合意している。
Boston Globe紙によれば、EMCのCEOであるJoe Tucci氏の2005年の所得は、大量の株式を取得したことで倍増したという。
同紙は、Tucci氏が得た2980万ドルにおよぶ報酬のうち、2280万ドル相当が制限付き株式で占められていると報じた。Tucci氏は、今後3年間で一定の成果を上げられた場合においてのみ、これらの株式を売却することができる。
Tucci氏の2005年の基本給は100万ドルで、ボーナスが215万ドルとなっており、額面は以前と変わっていない。Tucci氏は、過去3年間でEMCを収益性の高い現在の姿へ生まれ変わらせたとして、その手腕が広く評価されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ