「Microsoft NPO Day」開催--「テクノロジでNPOを支援する」とGates氏

山下竜大(編集部) 2006年04月22日 02時10分

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 マイクロソフトは4月21日、NPO(市民活動団体)関係者向けのスキルアップイベント「Microsoft NPO Day」を開催した。Microsoft NPO Dayは、Microsoftが世界各国で開催しているイベントだが、日本では初めての開催となる。

 同イベントでは、「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会」および「特定非営利活動法人 日本NPOセンター」が、NPOの活動に役立つ実用的なIT活用ノウハウを提案することを目的に運営に協力している。マイクロソフトでは、2002年より4回にわたり「マイクロソフトNPO 支援プログラム」を実施しており、現在までに24団体のITに関するさまざまな活動を助成を行っている。

Windowsに搭載された拡大鏡 ステージに勢揃いしたMicrosoftのBill Gates氏、Darren Huston氏、衆議院議員の野田聖子氏、NPO団体の面々。

 同イベントの特別講演には、Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのBill Gates氏が登場し、社会的課題の解決に向けたNPOの担う役割と、ITがもたらす可能性について講演した。

 Gates氏は、「コンピューティング環境は、この数年で過去20年間を超える進化を遂げている。企業内では交換機がなくなりIP電話が主流となっている。また、文字だけだったコミュニケーションは、音声や画像、ビデオなど、さまざまなコンテンツが使われるようになっている。今や10億代以上のデバイス上で、Windows環境が動作しているほどだ」と言う。

 「しかし、世界中のすべての人が本当に進化したコンピューティングの恩恵を受けているのだろうか? どこまで、公平にコンピューティングパワーを使いこなせているのだろうか?」とGates氏。

 「世界中に学校や図書館を作る取り組みにより、世界中の多くの子供たちが教育を受けられるようになった。IT分野では、まだまだ数多くのデジタルデバイドが残っており、この垣根を取り除くための取り組みを継続していかなければならない」(Gates氏)

 そのためには、「これまでマイクロソフトが企業システム構築で培ってきた経験やノウハウが有効に活用することが必要になる」とGates氏は話す。

 たとえば音声技術を活用することで、これまで点字でしか情報を得ることができなかった人がインターネットから必要な情報を容易に得ることができるようになる。また、高齢者が「少し難しいかもしれないが……」(Gates氏)PCの使い方を覚えることで、遠方に住んでいる孫とテレビ電話でいつでも会話することができるようになる。

 こうした事例は、「利用者のモチベーションを向上することになり、生きる喜びを与える。これは非常にエキサイティングなことだ」とGates氏。「我々のNPOに対する取り組みが(利益面でなく)いかにインパクトがあるかを知ってほしい。マイクロソフトのテクノロジは、NPOにとって大きな成功をもたらすことができるだろう」と加えた。

講演するGates氏 「NPO活動への貢献にこだわるのは、私がたまたま幸運だったから」とGates氏。

 その反面Gates氏は、「テクノロジも重要だが、もっと大切なのは“人の心”だ」と言う。

 「私がNPO活動への貢献にこだわるのは、私がたまたま幸運だったから。私は、たまたまいい教育を受けることができたし、コンピュータが進化する時代にタイミング良く居合わせることができたからだ。今後もNPO活動をさらに加速させるための取り組みを継続していく」(Gates氏)

新たな取り組み「NPO-J」を発表

 マイクロソフトは同日、NPOにおけるデジタルデバイド(情報格差)解消に向けた支援策「NPO-J」を新たに開始することも発表している。NPO-Jでは、2002年より4回実施してきた「マイクロソフトNPO支援プログラム」を拡充するほか、2006年中に新たな3つの取り組みを順次開始する予定だ。

 新たに追加されるのは、ITスキルの習得を目指す「デジタルリテラシーカリキュラム」、IT活用の啓発の場となる「NPO Day」の開催、IT活用を促進する「NPOパートナーシッププログラム」の3つの取り組み。詳細については、NPO-Jのウェブサイトで紹介されている。

講演するHuston氏 「日本に根ざし、信頼される企業市民であり続けたい」とHuston氏。

 NPO-Jの開始についてマイクロソフトの代表取締役社長、Darren Huston氏は、「1998年にNPO法が施行されて以降、NPO法人は急増し、現在約2万6000の団体が登録されている。また法人格を持たない任意団体も10万以上あるといわれている。しかし、多くの団体は財政面、人材面などのリソース不足が大きな課題になっている。こうした問題を解決し、NPOが安定的、持続的に活動できる環境を提供するのがNPO-Jの目的だ」と話す。

 マイクロソフトでは、「デジタルデバイドの解消」への企業市民活動の取り組みを拡大しており、これらの活動を通じてNPOなどの市民活動団体がより積極的にITを活用するための啓発活動および基盤整備を実施。NPOの経営革新を促進し、NPOが取り組むさまざまな社会的課題解決の加速を支援している。

 こうした取り組みのベースとなるのは、マイクロソフトの今後3年間の企業活動の基盤となる経営方針である「Plan-J」戦略となる。Plan-Jは、「日本における投資の拡大」「企業およびコンシューマにおける技術革新の促進」「政府機関、教育機関、NPOおよび産業界とのより深く明確なパートナーシップ」の3つの柱に基づいている。

 Huston氏は、「マイクロソフトは、世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を、最大限に引き出すための支援をするという企業ミッションのもと、日本に根ざし、日本社会や経済のさらなる発展に寄与し、信頼される企業市民であり続けることを目指している」と話している。

 なお、Microsoft NPO Dayは、2006年6月に福岡および大阪でも開催される予定だ。

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