Linux関連のホライズン・デジタル・エンタープライズ(HDE)は4月21日に、同社のテクノロジーを紹介するセミナー「HDE Solution Forum 2006 〜コミュニケーションプラットフォームに進化したEメールの未来を探る」を開催した。
同社はLinux関連技術をベースに、メッセージングプラットフォーム事業、セキュリティ事業、サーバマネジメント事業を展開している。今回のセミナーは、個人情報保護法や日本版SOX法などの法令順守(コンプライアンス)の要請、さらには迷惑メール(スパム)やフィッシングなどのセキュリティ問題などによってメールの存在が変わりつつあることをテーマに、同社のメッセージングプラットフォーム事業の動きなどを紹介、ユーザーの議論などが交わされた。
同社で代表取締役社長を務める小椋一宏氏は、話題になっているWeb 2.0に触れ、「ウェブコミュニケーションの新しい形としてWeb 2.0に注目が集まっている。それと同じようにメールの進化した形として“Mail 2.0”が生まれつつある」と語っている。
「Web 2.0を支える技術にXMLやJavascript、DHTMLが挙げられる。これらは2000年頃に生まれたものであり、現在では“枯れた”技術となっている。しかし、これらの技術は、近年のブロードバンドの普及などで、ユーザーのニーズの変化により、ウェブに求められる使い勝手や検索技術を補完するために利用されることでWeb 2.0を支えるようになっている」(小椋氏)
小椋氏は、Web 2.0のこうした構造を見て、「メールにも新しい形が生まれてもいいのではないか」と主張する。
「メールは現在、企業のコミュニケーションプラットフォームとなっている。その時に、友だち同士で交わされるメールと企業内や企業間で交わされるメールの使い方が一緒でいいのか、という問いかけがもう一度なされ始めている」(小椋氏)
そうした「メールに対する問いかけ」によって、メールが進化した「Mail 2.0」があると小椋氏は言う。小椋氏は、Mail 2.0を支えるものとして電子署名や暗号化技術を挙げ、そしてメールを進化させる要因のひとつとして日本版SOX法などのコンプライアンスを挙げている。
「電子署名や暗号化技術は、XMLやJavascriptなどのように2000年頃から存在している。しかし、ユーザーのニーズがそれを求めるまでに成熟していなかった。だが、ここにきて、日本版SOX法などのコンプライアンスの要請により、電子署名や暗号化技術は必要とされるようになっている」(小椋氏)
小椋氏は、現在メールが置かれる状況をこのように分析し、メールの新しい形としてMail 2.0が注目されるだろうと語っている。