いつでも、どこでも、情報の活用を可能にするサイベースの「Unwired Enterprise」戦略 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2006-06-07 00:49

--なぜユーザーは、意志決定支援システムに注目するのでしょう。

 ビジネスにおける競争が非常に激しいからです。競争が激しいから、迅速かつ正確に意志決定することが重要なのです。たとえば、1000万ドルの資産運用により年間7〜8万ドルの利益を得たとします。資産運用において利益を得るには、まずは迅速かつ正確なリサーチが重要になるのです。

 また、これは昔からある考え方ですが、買い物をすると買い物の履歴がデータとして残ります。これにより次に、その店に行ったときに、前回何を購入したかをリアルタイムに見ることが可能になります。このとき、前回歯磨き粉を買ったとすると、「歯磨き粉はまだ残っていますか?」と商品を勧めることが可能になります。

 こうしたニーズは昔からあるものなのですが、以前はこれに対応するテクノロジがありませんでした。しかし現在は、少ない投資でも実現できるテクノロジがそろっています。こうした要因もユーザーが意志決定支援システムに注目する理由のひとつです。

--意志決定支援の分野におけるSybaseの強みとは?

 たとえば、CognosやBusinessObjectsなどのビジネス・インテリジェンス(BI)ツールとよく比較されますが、彼らのツールはフロントエンドのツールであり、我々とはパートナー関係になります。

 またSAPは、データマートの部分だけを見れば競合なのかもしれませんが、より強力なBIテクノロジがほしい場合にはSybaseは強い味方になるでしょう。そこでSAPとも広い意味で保管関係を保てると思います。

 つまり、Sybaseの強みとは、どのような環境にも対応できる柔軟性を提供できることです。BI実現における最高のデータストアと言っても良いでしょう。

--分析専用データベースであるSybase IQには、ビットワイズインデックスをはじめ、さまざまな独自の機能が搭載されています。このような機能は、どのような発想から生まれたのでしょう。

 Sybase IQの開発においては、まずBIにおけるさまざまなニーズを分析しました。その結果、クエリを効率化するためには既存の手法でなく、新しいアーキテクチャが必要だという結論に至りました。具体的には、ディスクに対するアクセスを最小限にしなければならないということです。

 ディスクに対するアクセスは、プロセッサやメモリへのアクセスに比べ、非常に負荷が高くなります。一般的にディスクのアクセス時間の20%が更新時間で、残りの80%はデータを見つけ出す時間といわれています。そこで、いかにディスクへのアクセスの頻度を少なくできるかが鍵でした。

--今後、Unwired Enterpriseは、どのような進化をしていくのでしょう。

 Unwired Enterpriseは、「Information Management」「Information Liquidity」「Information Mobility」の3つの分野で進化していきます。最初にもお話ししましたが、Unwired Enterpriseで目指しているのは、情報を管理して、情報をデリバリし、どこでも活用できるようにすることなのです。

 このとき重要になるのは、できるだけシンプルにすることとセキュリティです。3つの分野すべてにおいて、シンプルなアーキテクチャの採用と、堅牢なセキュリティを忘れてはいけません。

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