十条電子(竹林春海社長)は9月1日、USBメモリを使った企業向けセキュリティ・システム「HardKey3」を4日に発売すると発表した。97年発売の「HardKey」最新版。パスワードなどをUSBメモリに記憶させ、このKeyをUSBポートに差さない限りパソコンが起動しないなどの機能が特徴。
「HardKey3」では、認証機器の取り付けによるウィンドウズ認証の代行をする自動ログオンモジュールを新たに搭載。また、認証機器を取り外せばスクリーンセーバ画面になり、差せば通常の使用ができるスクリーンセーバロックモジュールも備えた。さらに、仮想暗号化ディスクドライブを設定、データファイルを保護する仮想暗号化ディスクモジュールも利用できる。認証も、USBキー、ICカード、生体認証などさまざまなデバイスでの運用が可能になった。
竹林社長は、今回の製品の背景について次のように語った。「セキュリティ対策のためにパスワードが利用されているが、連想できない6桁以上にしろ、3か月に1回は更新しろ、書くな・覚えろなどと強制されている。しかし、無意味な数字を覚えるのは苦痛であり、つい、パスワードをパソコンに貼り付けてしまうなどの人も出てしまう。ネットワークでつながっている以上、こうした人間が1人いれば、重大なセキュリティホールになってしまう。当社は、こうした弱者がセキュリティ強度を決めてしまうことを早くから予見、USB個人認証デバイスとしてHardKeyを開発してきた。このデバイスさえ持っていれば、パスワードを覚える必要はないことから、多くの企業で採用されてきた。しかし、セキュリティ対策に終わりのないことも確かで、今回の新製品ではさらに高度なセキュリティ対策が講じられるようにした。その場合にも、守りの投資であるセキュリティ対策である以上、低コストで、簡単に、高い効果が出ることを目指した」