IBMは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に興味を持つ顧客の取り込みを狙い、同社ソフトウェアおよびサービスを強化していく予定だ。IBMでは、SOAを利益に結びつけたいと考えている。
IBMは米国時間10月3日、企業活動監視ツール「WebSphere Service Registry and Repository」や、セキュリティおよびマネジメントに関するコンサルティングサービスを含む最新の製品およびサービスについて、メディア向け電話会議で詳しく述べた。
これらのソフトウェアを強化することによって、SOAプロジェクトの立案および実施プロセスを管理する「ガバナンス」の必要性を呼びかけ、コンポーネントの再利用を促進する、と同社は述べた。
さらに同社は、Webifyの買収により取得した「WebSphere Business Services Fabric」も発表した。同ツールは、既存のソフトウェアに、保険や医療といった業種で使用される特有のデータフォーマットのサポートを追加するもの。一方、WebSphere Service Registry and Repositoryは、IBMの「Rational」開発ツールと連係して、サービスの開発や、運用を始めたサービスの修正が可能となる製品だ。
ビジネスプロセス管理関連のソフトウェアにも、コールセンターにかかってくる電話などのビジネスプロセスの状態を確認しやすくするための改良が施された。同社の新たなモデリングツールでは、プロジェクトの進捗状況をより明確に可視化したり、電話が殺到した場合などに対応するプログラムを自動的に立ち上げたりすることができる。
IBMはまた、セキュリティやビジネスプロセス管理、そしてSOAプロジェクトの包括的管理などのさまざまな側面にかかわる新サービスも公表した。同サービスは、コンサルティング部門であるIBM Global Technology Servicesが提供する。
Mills氏によれば、SOA戦略を進めるには重要なサービスの運用が必要になることから、IBMはソフトウェア製品と関連サービスを密接に連係させるよう目指しているという。
特に規模の大きな企業では、プロジェクトは複雑になりがちだ。IBMのGlobal Technology ServicesシニアバイスプレジデントMike Daniels氏は、ITインフラストラクチャを管理するうえで、SOAが「水準を格段に引き上げる」と話した。
またMills氏は、IBMが300件以上のSOA関連特許を所有していること、SOA関連技術およびサービスに対する投資額が2006年だけでも10億ドルを超えたことに言及し、同社のSOAに対する前向きな姿勢を強調した。
「IT業界ではさまざまな変革が起こりつつあるが、SOAへの移行もその一例だ。SOAに関係する一連のコンセプトには、顧客の心をつかむ魅力がある」(Mills氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ