ミロク情報サービス(MJS)とネットスイートは11月17日、資本提携および販売提携するとともに、MJSと米NetSuiteが開発面で提携すると発表した。
MJSは、11月20日にネットスイートの発行済み株式5%を取得する。販売面では、SaaS(Software as a Service)型統合ビジネスソリューション「NetSuite」の日本国内における販売網の形成と販売促進、ならびに一次サポートを提供する。開発面では、米NetSuiteが提供する会計やERP関連サービスの日本市場向け機能を共同開発する。
ネットスイート 代表取締役社長の東貴彦氏は、「日本市場では、今後もネットスイートが提供しているCRMやERP分野が成長する可能性が高い」としているが、「課題もある」と話す。その課題として東氏は、「米国生まれのサービスをローカライズできるパートナーが必要だ。また、SaaSモデルではサポートもオンサイトとなり、直接顧客のいる場所に行ってサポートができない。オフサイトでサポートできるパートナーが必要だ」と述べている。
MJSの代表取締役社長 是枝周樹氏も、ローカライズについては「地域習慣も含めたさまざまなノウハウが必要だ」と話す。MJSでは、長年日本における財務会計システムの開発実績があり、日本特有の会計処理機能の実装ノウハウを生かしてNetSuiteの開発に協力する。同時に、「MJSとしてもSaaSのノウハウを蓄積できるメリットがある」(是枝氏)としている。
販売については、「MJSがこれまで苦手としてきたパートナー販売を、SaaSを通じて強化できる。既存のソフトウェアを利用している大手企業にもSaaSを提案し、MJSの潜在顧客を広げたい」と是枝氏。また、個人事業主やSOHO向けには、MJSが運営するビジネスポータルサイト「海」を活用し、ウェブ販売を推進する。将来的には、NetSuite製品をMJSの既存顧客である税理士事務所の顧問先企業などに販売し、5年で4000社の顧客獲得を目指す。
今後両社は、約1年かけてローカライズを進め、2008年4月をめどにNetSuiteの全製品を日本市場に投入する。まずは2007年春に、Eコマース構築のための製品を提供する予定だ。
NetSuite ワールドワイド セールス担当 シニアバイスプレジデントのDean Mansfield氏は、「日本は常に新しいテクノロジを柔軟に受け入れているが、2つ遅れている分野がある。それは、SaaSの導入とEコマースだ」という。同氏は、海外ではすでにモールタイプのEコマースからは卒業して自社サイトを構築し、Googleなどのキーワードサーチでサイトに誘導するタイプが主流になっているとし、「SaaSとEコマースという、日本が遅れを取った両面をNetSuiteが支援する」と述べた。