SAPジャパンは11月27日、ERPソフトウェア・パッケージの導入手順を簡略化する設定自動化ツール「SAP Best Practices」で、自動車部品、小売、および鉄鋼業の3業種対応版を新たに開発し、同日より提供を開始すると発表した。
業種別SAP Best Practicesは、業界特有の業務シナリオや機能モジュールをあらかじめ定義して提供することで、ソフトウェアの設定を自動化し、導入作業にかかる工数を削減するツール。今回出荷するのは自動車部品業界向けの「SAP Best Practices for Automotive」、小売業向けの「SAP BestPractices for Retail」、そして鉄鋼業向けの「SAP Best Practices for Primary Steel」となる。SAPがこれまで提供してきた業種別ソリューションの導入実績に基づく業務シナリオに加え、日本固有の多種多様な要件に対応するシナリオが追加されている。
SAP Best Practices for Automotiveは、アイ・ティ・フロンティアとアクセンチュアが共同開発。内示および確定処理とインボイス処理、配送委託、外注処理によるサードパーティー購買、複数会社間在庫転送を含む受注処理、サマリJITコール、遡及請求などのシナリオが組み込まれている。
SAP Best Practices for Retailは、アクセンチュア、アビームコンサルティング、NTTコミュニケーションズ、NTTデータサイエンスが共同開発。小売業向け組織設定、商品管理、価格設定、リベート決済管理、仕入先からの請求書照合、プロモーション管理などのシナリオが組み込まれている。
SAP Best Practices for Primary Steelは、アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス、キヤノンシステムソリューションズ、コベルコシステムが共同開発。需給計画、受注処理・品質設計、生産計画、出荷・請求などのシナリオが組み込まれている。
SAP Best Practicesの業種特化型については、既に食品、アパレルフットウェア、化学、産業機械および構成部品、プロフェッショナルサービス、ハイテク業界向けの6製品を出荷しており、今回の3業種を加えて計9業種に対応したことになる。