NEC、中国電力、アール・シー・エスの3社は1月16日、無線通信により対象物の位置・方向を高い精度で検知するシステムを発表した。同システムの位置検知精度は±30cm程度、方向検知精度は±1°程度で、汎用方式の無線通信を用いたシステムとしては世界最高クラスの精度という。
3社の共同開発したシステムは、検知対象とする携帯端末、位置・方向検知に必要な情報を携帯端末に送る基地局、基地局を管理・制御する基地局制御サーバで構成する。各装置間の通信には、短距離向け無線データ通信規格であるIEEE802.15.4を利用した。
実証試験では、7m間隔で基地局を設置して実験した。その結果、携帯端末の位置を±約30cm、方向を±約1°という誤差で検知することに成功した。3社によると、「(この検知精度は)携帯電話やカーナビゲーションシステムなどで一般的に使用されているGPSシステムと比較して、約10倍から100倍程度高い」という。
なお、基地局と基地局制御サーバのあいだを無線で通信する構成であるため基地局用の通信線を敷設する必要がなく、IEEE802.15.4という汎用無線を用いるので、安価なシステム構築が可能となる。基地局の初期設定やメンテナンスも、無線通信により容易に行える。