アドビ、「Photoshop」をウェブアプリ化へ--無償版として提供予定 - (page 2)

文:Mike Ricciuti(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-03-01 11:37

Picasaと対決

 Chizen氏によると、ウェブアプリ版Photoshopはローエンド製品を想定しているが、無償の代替製品よりも高い品質を保証するつもりだという。オンライン画像編集アプリケーションとして、Adobeは顧客に優れた使い勝手を提供する課題を抱えていると、同氏は加えた。

 同氏は、「(ネットワークの)待ち時間がユーザーにとって問題になるようなことはしたくない。そのため、いろいろな意味でRemixビデオ製品よりも難しさがある。帯域幅は拡大しつつあるものの、そのなかは動画で一杯になりつつある。したがって、使用感は今後3〜5年は変わらない可能性が高い」と語っている。

 同社はまた、Photoshopのブランド力低下を防ぐことにも慎重になっている。同プログラムは、デザイナーやイラストレーターなどのクリエーターの間で幅広く利用されている。

 「Photoshopブランドが付き、Picasaより優れているであろうWebアプリ版Photoshopが発売されたら、Photoshopブランドに対する信頼と、ブランドが提供する品質からPhotoshopが選ばれるだろう」とChizen氏は語っている。

 Googleの関係者からAdobeの計画についてコメントを得ることはできなかった。

 Adobeでは、オンライン版のマルチメディア機能や製品を投入するなか、Photoshopやビデオ編集スイート「Premiere Pro」などの製品の専門知識を利用し、それをMacromedia買収で獲得したウェブ開発のノウハウと組み合わせていく意向だ。

 たとえば、RemixはAdobeの「Flash Player」開発環境である「Flex」を使って書かれている。

 Chizen氏は、Googleには優秀なウェブ開発技術者が豊富にいるため、Webアプリ版メディア編集アプリケーションを投入するAdobeにとっては同社が最大のライバルになる可能性が高い、と指摘した。同氏はまた、Adobeが広告入りWebアプリサービスの提供方法についてさまざまな選択肢をまだ検討中であることも指摘した。

 Adobe Remixに関するPhotoBucketとの提携も独占契約ではない。この提携により、Adobeは計算処理インフラやウェブサイト運営要員を負担することなく、広告収入の一部を受け取れるようになっている、と同氏は語っている。

 しかし、ウェブ広告の売り上げがWebサービスを直接提供するAdobeの投資に見合う可能性は潜在的にあると、Chizen氏は語っている。同氏は、「かなりの売り上げを得られることが分かれば対応していく可能性はある」と語っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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