マイクロソフトは3月5日に都内で記者会見を行い、前ダイエー代表取締役社長を務めた樋口泰行氏が、同日付で代表執行役兼最高執行責任者(COO)に就任したことを正式に発表した。
樋口氏は、法人・企業・公共機関向けビジネス及びマーケティング担当部門などのコマーシャルビジネスを統括する。なお、Darren Huston氏は引き続き代表執行役社長を務めつつ、 MSN事業、Xbox事業などを中心としたコンシューマービジネスを統括するという。Huston氏は、同社が2005年7月より推進している経営方針「Plan-J」を、樋口氏と共に推進していくことを強調。「来年度も社長を務めたいと思っている」と述べ、早期の社長交代説については改めて否定した。
ダイエー以前に、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の社長を務めた経験もある樋口氏は、約2年ぶりにIT業界へ復帰する形となる。現在のマイクロソフトが法人、公共機関向けビジネスを推進するにあたっては、「企業向けとコンシューマー向けでは、求められる企業文化が異なる。マイクロソフトはボリュームビジネスから発展したが、過去のボリュームビジネスでの成功体験をひきずらずに、コマーシャルビジネスを展開する必要がある」と課題を提示。
「法人、公共機関向けビジネスは、製品や技術だけでは成立しない世界。エンジニアや営業担当者、そして会社自体が顧客に信用されなければならない。よく“マイクロソフトは顔が見えない”と言われるが、それを払拭していくためのプロジェクトがPlan-J。さらにオープンな形で、顧客とマイクロソフトの親和性を高め、信頼を裏切らず、“一緒にビジネスをしたい”と思われる会社にしていくことが目標」(樋口氏)と抱負を述べた。