1996年に米マサチューセッツ州にて創業したOpenPagesは、GRCM(ガバナンス、リスク、コンプライアンス管理)というビジョンを掲げ、SOX法をはじめとするコンプライアンスに対応するソフトウェアを提供している。日本法人のオープンペイジズジャパンは2006年2月に設立、約1年をかけて製品の日本語化を進め、JSOX対応ソフトウェアの販売を開始したばかりだ。同社は「SOX法対応ソリューションプロバイダーとして、GartnerやForrester Researchからも高い評価を受けている」(OpenPages アジア太平洋地域担当取締役のDerek Titterington氏)という。
同社の強みは何なのか。Titterington氏は、「われわれの提供する財務統制管理ソリューションのOpenPages FCMは、SOX法対応で必要となる、評価範囲の決定から、文書化、運用状況のテスト、不備の是正、内部統制の報告、外部監査による評価までの流れがすべてサポートできることだ」と話す。また同氏は、「SOX法ソリューションを提供しているということが一種流行のようになっていて、一部のソリューションしか提供していなくてもそれを大々的にアピールするベンダーが多い」と指摘する。
また、OpenPages FCMは、「カスタマイズが不要なため、導入や保守費用も抑えられる」と、オープンペイジズジャパンでセールスディレクターを務める緒方淳氏。すべてのケースで同じプラットフォームをベースとするため、「導入にかかる平均的な期間も2カ月から3カ月と短期間で、顧客からの問い合わせも85%は当日中に解決できる」(Titterington氏)という。さらに、同社では2005年よりFCMのAPIを公開し、レガシーシステムにも対応できるようにした。
ほかにもFCMには、統制環境の推移を期間ごとにモニタリングできる機能や、部門や地域ごとで承認が終わった段階で情報をロックできるという段階的な承認プロセスをサポートする機能、リアルタイムなレポート機能、ピンポイントで担当するページにたどりつけるドリルダウン機能などがある。
FCMの他にも、同社はオペレーショナルリスク管理(ORM)、全般的コンプライアンス管理(GCM)、ITガバナンス(ITG)などのモジュールを提供しており、すべて同じプラットフォーム上での稼動が可能だ。緒方氏は、「SOX法以外にも、個人情報保護法や労働基準法、環境保護など、数ある法令遵守に対応する中、すべてのプロセスを一元管理することで無駄な作業をなくすことができる」と話す。GCMとITGは、提供開始して数カ月という新しいソリューションだが、すでに米国では同社の4つのソリューションのうち3つを同時に導入している企業が2社あるという。
FCMの平均的な導入価格は、「ユーザーの規模やサービス内容によっても違うが、ライセンスから導入費、保守などを含めて約40万ドル(1ドル116円で計算すると約4640万円)程度」とTitterington氏。日本でもすでに5社がFCMの導入を進めている。今後同社は、直販およびパートナーを通じての販売を並行して進め、「2年間で200社の導入をめざす」(Titterington氏)としている。