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「Higgins」プロジェクト、特許関連でマイクロソフトからの承認待ち - (page 2)

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、吉武稔夫、福岡洋一

2007-03-12 20:59

 Windowsでのみ利用可能なCardSpaceに対して、Higginsプロジェクトの目的は他のOSにも対応することだ。Higginsは、Windows以外にも「Linux」や「Mac OS X」などでも使えるオープンソースの選択肢となることを目指しており、その機能はCardSpaceと同様のものだ。

 Novellで優良エンジニアの肩書きを持つDale Olds氏は、ウェブブラウザの例を引き合いに出して次のように語った。「CardSpaceの複製品を作るつもりはないが、ユーザーには『Internet Explorer』に対する『Firefox』のように、開発側の動きがよく分かって安心できるオープンソース製品も提供すべきだ」

 Olds氏によると、Higginsの開発陣は、LinuxシステムやMacとWindowsとの間でID情報の受け渡しができる機能も組み込みたいと望んでいるという。

 「これは、ユーザーの財布のようなものだ。使用しているシステムにかかわりなくカードを取り出して使いたいはずだ。その方法については完全に出来上がっているが、これを(Microsoftの)Open Specification Promise(OSP)に含める必要がある」とOlds氏は述べ、同社の承諾がなければ、Higginsシステム間でしかデータのやりとりができなくなると憂慮を示した。

機能の先送り

 Microsoftとの交渉には希望が持てるが、相手はまだ譲歩の姿勢を見せていない、とRuddy氏は言う。「そのおかげで、OSPの適用範囲が拡大されるまで先送りにしている部分もある」

 Higginsの開発者たちが必要としているものとしては、データ受け渡しの仕様やCardSpaceのユーザー体験を支えているプロセスに関する技術文書などがある。

 問題となるのは特許だとOlds氏は指摘し、次のように述べた。「われわれの作成したコードを利用したオープンソース開発者が特許侵害で訴えられないことを明確にしておきたい」

 前出のMicrosoft関係者によると、同社はセキュリティ上の理由でCardSpaceにおけるデータ保管場所や保管方法などを固く秘匿しているという。「CardSpaceが物理的にどうやってどこにデータを保管しているかは、MicrosoftがCardSpaceを実行するためにだけ必要な情報であって、互換性のあるID管理ソフトウェアの作成を妨げるものではない」と、その関係者は語った。

 これまでオープンソースには激しく敵対してきたMicrosoftだが、最近になって中核となるオープンソース思想について受容する姿勢を見せ始めている。2006年9月に公表したOSPは、Microsoftなどが開発したWebサービスプロトコルに基づくソフトウェアの開発者に対して特許侵害訴訟を起こさないことを保証しており、競合他社も大きな前進だと認めている。

 OSPの適用範囲はその後も拡大し、電子メールの認証テクノロジ「Sender ID」もその対象となっている。Microsoftによれば、これは商用ソフトウェアおよびオープンソースソフトウェア間の相互運用性を高めようとする取り組みの一環だという。

 Higginsが発表されたのは2006年のことで、最初のバージョン「Higgins Trust Framework」は2007年夏の配布開始を予定している。

 Microsoftからの承認がなくともHigginsは配布するだろうが、いくつかの機能は削らざるを得ない。また、クライアントアプリケーションは同プロジェクトの一部に過ぎない。Higginsが目指しているのは、個人にIDを発行するソフトウェアやIDデータを処理するアプリケーションも含んだ完全な「ID管理システム」の配布だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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