“ミッションクリティカル”と“SaaS”の両面からOSS利用を促進--日本ユニシス - (page 2)

岡崎勝己(ロビンソン)

2007-03-19 01:18

 「2004年に米国のUnisysが、Linuxのビジネス利用を推進するための非営利組織であるOSDL(Open Source Development Labs)に加入し、今後の戦略5分野のひとつとしてOSSを積極的に推進していくことを明言しました。当社としても今後のビジネス展開に向け、Windows以外にも手を打っておかなければなりません。その意味で、OSSは非常に有望なテクノロジであり、2007年の早い時期には、当社としてどのようなビジョンを描いているのかを発表したいと思っています」(保科氏)

 日本ユニシスではこれまで同社のiDCで、何百台ものLinuxベースサーバの運用業務を手掛けてきたほか、iDCのフロントエンド用/アプリケーションサーバ用のLinuxパッケージも開発するなど、企業システムを構築するためにOSSをいかに有効に活用すればよいか、そのノウハウとスキルの双方を蓄積してきた。そうした成果が、いよいよ実を結ぶ段階へと差し掛かりつつあるわけだ。

メインフレーム時代からのノウハウがOSS戦略の武器に

 ビジネスへのOSS活用に本腰を入れるにあたって、日本ユニシスの強みといえるのがメインフレームの時代から培ってきた、ミッションクリティカルシステム分野での多様なスキルやノウハウだ。

 「どんなシステムにもトラブルは必ず発生します。ミッションクリティカルシステムを手掛けるためには、その予兆を事前に察知し、原因を突き止め、システムダウンを防ぐことができる高い運営能力がベンダーに求められます。当社ではメインフレームの実績を踏まえ、Windowsベースのシステムでもミッションクリティカルシステムを実現できることを実証できました。この経験は、Linuxでもおおいに生かせるはずです」(保科氏)

 Linuxは言うまでもなく、ソースコードが公開されている。そのため、理論的にはWindowsより安定したシステムを実現することも可能だ。とはいえ、Linuxに関心を示しながら、業務系システムでの採用に踏み切る企業はまだまだ少ないのが実状だ。その要因として保科氏が指摘するのが、技術革新の速さである。

 「OSSを使うことでメリットを得られる企業がいる一方で、OSSの誤った利用によりデメリットを引き起こす企業も少なくありません。こうした課題の解決が、OSSの利用を促進するにあたって急務となっています」(保科氏)

 OSSは日々、さまざまな改良が加えられ、そのためのパッチも多数、リリースされている。こうした取り組みは、Googleをはじめ、テクノロジを武器に事業を展開する企業にとって、大きな競争優位をもたらしているが、一方ではシステムの安定を阻む要因にもなっている。

 システムの信頼性を求める企業に対する“解”のひとつが、SaaS(Software as a Service)やBPO(Business Process Outsourcing)などのサービスの拡充だ。それらを通じて、Linuxの採用にまつわるリスクを担保することで、OSSの普及を促進しようというわけだ。その実現に向け同社では、今後Linuxのメリットを発揮しやすい分野を中心に、サービスメニューを強化する計画だ。

 「信頼性や機能、使い勝手を評価する企業は決して少なくありません。パッチの煩雑さなどの問題を取り払えれば、インターネット接続やメール系以外の分野での利用が急速に拡大する可能性も決して小さくないはずです」(保科氏)

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