ジュニパーネットワークスは3月20日、加入者管理とポリシー管理機能を備えた、セッションおよびリソースコントロール(Session and Resource Control:SRC)製品として、専用プラットフォーム上でポリシー管理を実現するハードウェア「Cシリーズコントローラ」と、各機能を実現するソフトウェアアプリケーション群の「SRCモジュール」を発表した。
ジュニパーネットワークス ソリューションマーケティングマネージャーの佐宗大介氏は、ポリシー管理製品の役割について、「サービスレイヤとネットワーク制御の中核的な位置づけだ。加入者管理として認証、許可、アカウンティングやIPアドレス保持などの機能を提供し、帯域およびリソースなどのサービス管理としてCAC(Call Admission Control)やセッションごとのQoS(Quality of Service)を提供する」と説明する。
ポリシー管理市場について佐宗氏は、「現在の世界におけるポリシー管理市場の規模は約80億円だが、この市場は2010年まで年平均成長率が84.3%と見込まれている有望な市場だ」と話す。同氏は、1999年にジュニパーが発表した「Service Deployment System」(SDX)をきっかけにこの市場が始まったとして、「ジュニパーはこの市場の形成と発展に努めてきた」とアピール。現在同社のポリシー管理製品は、世界の100以上のネットワークにおいて稼働実績があり、リアルタイムで数百万以上の加入者をハンドルしているという。
今回発表したSRCは、ネットワークリソースのモニタとアサイン機能を持つ「SRC Policyエンジン」、ネットワーク上のIMSアプリケーションをエンドツーエンドで管理する「SRC Diameterゲートウェイ」、ジュニパーやサードパーティーが開発したアプリケーションを統合する「SRC SOAPゲートウェイ」などだ。また、これらのモジュールをサポートするCシリーズコントローラとして、「C 2000」と「C 4000」が用意されている。
ジュニパーでは、オープンアプリケーション開発プログラムの「Open IP Service Creation Program」(OSCP)の下、SRCモジュールのインターフェースを公開している。このプログラムに参加している企業は、BitBand TechnologyやEllacoya Netowrks、Exent Technologies、SeaChange Internationalなど7社。各社からは、ビデオオンデマンドなどのアドミッションコントロールや、動的なリソースアロケーションなどのソリューションが提供されている。
ジュニパーではさらに、パケット転送時のハードウェアアクセラレーション機能とSRCモジュールによって定義されたポリシーエンフォースメントを実行する「Multiservices Physical Interface Card」(MS-PIC)も同時に発表している。MS-PICを導入することで、「サービスとアプリケーションのパフォーマンスの向上や、スケーラビリティの向上、機器のライフサイクルの向上が見込める」と、佐宗氏は述べている。