独立行政法人の情報処理推進機構は(IPA)は4月16日、2007年度上期の「未踏ソフトウェア創造事業」採択プロジェクトを決定したと発表した。
2007年度の上期では応募総数が204件、提案テーマ数が117件あり、産学界から任用された専門知識を持つプロジェクトマネジャー(PM)により、アイデアや未踏性に富んだ人材の発掘・育成という観点から審査が行われた。
審査の結果、最終的に全体で34件のプロジェクトが決定した。今回は、ネットワーク関連や画像処理などのウエートが高いのが特徴になっているという。今回採択されたプロジェクトは以下の通り。
- 楊征路(Yang Zhenglu)氏=Search People on the Web with Privacy Preserving
- 榊原寛氏=PREMIS:Privacy Respected Multi-user Smart Object Service Environment
- 尾曽越雅文氏=Real-World Extension and Construction of Architecture of Participation for the Service Cooperation Platform PatchService
- 平野学氏=機器指向の認証トークンを用いた従来型家電のネット化装置の開発
- 田中充氏=携帯電話とPCを相互に接続・制御するミドルウェアとその応用ツールの開発
- 斉藤匡人氏=ユビキタスネットワークブラウザの開発と展開
- 天野兼太氏=日本版シリアスゲーム「きみフットサル知ってる?」の開発
- 計盛英一郎氏=日米金融市場のデータベースの整備とその教育への応用
- 奥野陽氏=SocialIME:サーバサイド日本語入力とログ活用サービス
- 西本圭佑氏=3Dコンテンツ管理システムの開発
- 美崎薫氏=PilePaperFile
- 伊藤惇氏=写真をベースとした音声会話の記録と実世界ブログの開発
- 高橋徹氏=The Museum Lifeミュージアム向けウェブアプリケーションパッケージ
- 比嘉了氏=音響プログラミング/パフォーマンスのための空間的UIの開発
- 小林茂氏=プロトタイピングのためのツールキット「Funnel」の開発
- 角薫氏=コンテンツ創造支援のためのシアターシステムの開発
- 池上高志氏=第三項音楽展開のためのソフトウェア群の開発
- 杵渕雄樹氏=TUMBLER:組み込み向け高信頼プラットフォームの開発
- 蟻川浩氏=大規模社会シミュレーションを支援するツールキットの開発
- 中村直人氏=対話型3次元ウェブコンテンツの制作・実行環境の開発
- 石野明氏=ホワイトボード画像の保存・再生システムの開発
- 久保裕也氏=Shared Questionnaire System 2.0の開発
- 赤澤由章氏=学習を用いた3次元CG作品自動生成システムの開発
- 福井登志也氏=ポッドキャスティング用学習映像コンテンツの自動作成システム
- 大倉務氏=ブログを用いた「なんでも早期発見システム」の開発
- 田島敬史氏=モバイル機器の小画面上での表データ閲覧のためのブラウザ
- 近藤真之氏=問い合わせ学習を用いた自動操作ソフトウェア「子猫の手」の開発
- 冨田慎一氏=宣言的アプローチによるJavaScriptマッシュアップエンジンの開発
- 佐々英浩氏=動的仮想世界でのコミュニティ形成を軸とするネットゲームの開発
- 後藤義雄氏=オブジェクト管理API及び簡単システム構築UIの開発
- 大橋猛氏=フレームを活用したスクレイピングによるマッシュアップ支援ツール
- 根山亮氏=視聴体験の受動性・能動性を柔軟に構成可能なPtoP映像・音声配信基盤
- 安本匡佑氏=身体で操るバランスボール型インターフェースシステムの開発
- 三並慶佐=Ruby-Flashネットゲーム通信フレームワークの開発
未踏ソフトウェア創造事業は、個人または数名のグループを対象として、次世代のIT市場を担う独創性と優れた能力を持つ研究者(スーパークリエータ)を積極的に発掘するとともに、彼らが開発に専念できる環境を整備し、新市場を切り拓く社会的有用性の認められるソフトウェアの開発支援を行うもの。2000年度から実施されており、2004年からは年に2回の公募が行われている。