Nokiaが、携帯電話の加入者が、携帯端末でテレビを見たり、ウェブを閲覧できるようにするためのサービスの導入の加速に向けて積極的に動いている。
Nokiaは米国時間4月16日、ライバルである携帯端末器メーカーのサムスン電子と協力して、携帯電話向けテレビ放送規格「DVB-H」に準拠した相互運用可能な製品を開発する計画であると述べた。Nokiaは、Motorolaとも共同でDVB-Hに対応した製品を開発していくことをすでに発表している。
携帯端末メーカーや携帯電話事業者、広告会社、テレビ放送局らは、モバイルテレビを巨大なビジネスチャンスと見ている。しかしながら、現在は携帯端末でテレビ放送を受信するための技術が複数存在しており、市場が分断されてしまっている。
米国市場では、Qualcommの「MediaFLO」という規格が、米国の2大通信事業者であるAT&TとVerizon Wirelessですでに採用されている。いっぽう欧州では、NokiaによってDVB-Hの普及が進められている。今回発表されたサムスン電子との提携によって、DVB-Hの欧州におけるモバイルテレビ規格としての使用はさらに定着することが予測される。Nokiaはまた、今回の提携によって、アプリケーションの展開も加速されることを期待していると述べた。
具体的には、Nokiaは、DVB-Hに対応するための仕様「OMA BCAST」をサポートするため、サムスン電子と協力していくことを計画している。同仕様は、いわばDVB-H規格のプロフィールで、高度なプログラムガイドの開発方法や、多重放送技術へのサポート、SIMカードやデジタル著作権管理(DRM)技術を使用したコンテンツおよびサービスの保護などについてまとめたものだ。