有限会社シー・オー・コンヴ(CO-CONV)は4月23日、Windows Vistaに対応した認証システムを開発するためのミドルウェア「Credential Provider Extender」のベータ版を発表した。VistaのさまざまなEditionに対応し、開発工数を短縮化する。
個人情報保護法や日本版SOX法への対応の観点から、生体認証などを使った安全性の高いセキュリティシステムへのニーズは高まっている。しかしVistaでは認証拡張の手順がWindows XPと大きく異なるため、ベンダーの開発コストが上がる問題があった。また、Windows VistaにはHomeやEnterprise、Ultimateなどの複数のEditionが存在し、さらにそれぞれ32bit版と64bit版が存在することから、開発や動作検証、保守が複雑になっていた。
Credential Provider ExtenderはVistaのログオン機能などを拡張するためのミドルウェアで、認証拡張製品を開発する際に必要となるCredential Providerの仕様の差を吸収する役割を果たす。このため認証システムの開発ベンダーや認証機器の開発事業者は、認証処理を行う認証モジュールのみを開発すればよい。
認証モジュールは任意の開発言語で作成することが可能。また、一般的なアプリケーションと同様の手順で開発やテストができるため、開発工数の削減と保守性の向上が見込めるとCO-CONVでは説明している。
今回発表したベータ版は無償で配布する。7月には正式版を発表する計画で、正式版は開発用のライセンスと、クライアントごとの実行ライセンスが必要となる。価格は開発ライセンスが1製品ごとに50万円、実行ライセンスが100クライアントごとに10万円となる予定だ。
主なターゲットは認証システムを開発、提供するシステムインテグレーターや、企業、大学などのシステム管理者、認証デバイス開発ベンダー。発売開始から1年で30製品への採用を見込んでいる。