マイクロソフトは2月27日、システム運用管理製品群「System Center」の本格出荷に向けて、各製品のロードマップと位置付けを発表した。System Centerは、同社のシステム運用管理製品の新ブランド。
すでに「System Center Data Protection Manager 2006」、「System Center Reporting Manager 2006」、「System Center Capacity Planner 2006」の3製品が出荷されている。
今回の発表によると、同社は2007年の春より主要製品となる「System Center Operations Manager 2007」、「System Center Essentials 2007」、「System Center Configuration Manager 2007」、「System Center Virtual Machine Manager 2007」の提供を順次開始する。さらに2008年には、System Centerの中核をなす“Service Desk”の提供も開始する予定という。
これにより、これまで同社が提唱していたITILをベースにしたシステム運用管理フレーム「Microsoft Operations Framework(MOF)」を全面的にカバーする運用管理製品のラインアップが実現することになるとしている。
<現在提供中のSystem Center製品>
- Microsoft Operations Manager 2005(MOM2005)
ITサービスを容易に監視でき、組織と環境全体にわたって信頼性の高い拡張性を実現する - Systems Management Server(SMS)2003
ネットワーク上に点在するPCの実態を把握し、企業の情報資産管理、IT資産管理、パッチマネジメント、更新・構成管理、脆弱性などを管理する。関連ソフトと更新プログラムを提供し、システム全体の運用管理の手間とコスト低減を支援する - System Center Data Protection Manager 2006
ファイルサーバのDisk to Diskでのバックアップに主眼をおいたバックアップソフト。Service Pack 1(SP1)では、クラスタ化されたファイルサーバ、SIS (シングルインスタンスストレージ)、および、X64 Windows Serverに対応している - System Center Capacity Planner 2006
システム運用の安定稼働と事前のリソースを分析する。Exchange Server 2003とMOM2005のサイジング、プランニングを支援する - System Center Reporting Manager 2006
SMSの情報とMOM2005が収集した情報を統合してレポートを作成する。システムの運用管理に必要な情報を一元管理する
<今後提供予定のSystem Center製品>
- System Center Operations Manager 2007
MOM2005の後継製品。管理対象をWindows Vistaクライアントにまで拡大、運用管理コストの大きな要素であるクライアントPC管理を効率化する。またSOAに基づき、Operations Managerとほかのシステム運用管理ソフトとの相互運用性を重視して開発しているという。2007年第1四半期に開発完了を予定している - System Center Essentials 2007
PCを50〜500台を保有する企業、事業所規模を対象とした製品。Operations Manager 2007とWindows Server Update Services (WSUS) の機能を統合し、運用管理性が向上されている。
全国に支社を構える企業でも、各支社や支店にEssentialsを配置し、そのすべてのEssentialsを本社のOperations Managerによって一括管理することもできる。
また、ASP的な運用モデルも可能だ。中規模な事業者に向けて、運用管理ソフトとしてEssentialsを展開し、そのすべてをOperations Managerで一括管理するサービスの提供形態も考慮されているという。2007年前半に開発完了を予定している - System Center Configuration Manager 2007
SMS2003の後継製品。OS導入を簡単・確実に実行するための配布機能の強化や、セキュリティ設定の管理機能を追加する。また法制対応レポートに必要な情報を、ユーザーの負荷を最小限にして収集する機能も含まれる予定。2007年後半に開発完了を予定している - System Center Virtual Machine Manager
仮想化環境やリソースを管理する。次期Windows Server(開発コード名:Longhorn Server)提供開始後、2カ月以内の提供を予定している - System Center “Service Desk”
ヘルプデスクなどのワークフローを最適化する。ITILで定義される構成情報に加えて、System Center製品群が収集するサーバやネットワーク、アプリケーションなどの稼働情報、性能情報、障害情報などを格納できるデータベースである構成管理データベース(CMDB)になる。2008年前半に開発完了を予定している