日本SGIと日本SGIの関連会社であるAGIは5月10日、人の感性を理解して反応する「ST(Sensibility Technology:感性制御技術)」を基盤とした任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」向けのミドルウェア「感性制御技術ST for ニンテンドーDS(STシステムDS版)」を共同で開発。その使用権および再販権をセガに提供したことを発表した。
この発表によりセガは、STシステムDS版を組み込んだニンテンドーDS向けのゲームソフト「音声感情測定器 ココロスキャン」を開発。人の感情変化を利用した新しいゲームソフトを、2007年8月に発売する。感性制御技術が携帯ゲームソフトに組み込まれるのは初めてとなる。
日本SGIとAGIは、次世代インターフェースとして「感性ユーザインタフェース(Sensibility User Interface:SUI)」の実現を目的に、基本エンジンとしてSTを開発。STは、人間の発話音声から「喜び」「怒り」「哀しみ」「平常」「笑い」「興奮」などの感情状態をコンピュータが認識する。
これまでSTは、コールセンターのオペレーターを支援するシステムや、音声による柔軟な対応が可能な自動受付システム、バーチャルキャラクターと会話を楽しむモバイルコンテンツに搭載されてきた。最近では、離れた人同士が「喜び」を共有できる未来の通信端末「言花(KOTOHANA)」のコンセプトモデルや、その場の雰囲気に合わせて心地よい空間を演出する「空間ロボット RoomRender」などに搭載されている。
今回、セガがSTシステムDS版を使って開発した「音声感情測定器ココロスキャン」は、人の声から検出される「喜び」「怒り」「がっかり(落胆)」「平常心」「興奮」の5つの要素の度合いからココロの動きを認識。ココロの測定やココロの変化を利用してゲームを楽しむことができるという。