Hewlett-Packard(HP)は米国時間5月16日、第2四半期決算(2007年4月30日締め)を発表した。前年同期に比べて利益は減少したものの、PCおよびプリンタ部門の好調な結果で売り上げは増加した。
同四半期での売上高は255億ドルに増加し、前年同期の226億ドルから13%増加した。純利益は17億8000万ドルで前年同期の19億ドルから7%減少した。1株あたりの純利益は65セントで、前年同期から1セント減少したが、前年同期には一時的な税精算益が1株当たり15セント計上されていた。
世界最大のPCメーカーであるHPの決算結果は、かろうじてアナリストたちの予測を上回ったが、5月初旬に同社の従業員によってはからずも情報が漏れてしまっていたため、さほどの驚きは引き起こさなかった。
HPは通期の売上高予想を前回見通しでは990億ドルとしていたが、これを1兆5億ドルから1兆9億ドルの間へと上方修正した。
PC事業および画像とプリント事業が売り上げを増加させる牽引役となった。Personal Systems Group部門は全事業部門のうち最高の結果を出しており、売上高は前年から24%増加して87億ドルとなった。ノートPCの売上高は45%増加し、デスクトップは9%増加、ワークステーションは19%の増加となった。
報道陣と電話会見を行った同社最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏は、「これらの数字は素晴らしい結果だ。2000会計年度以降で、今回が四半期として最も好調な売上高の増加を記録している」と、朗らかに語った。
成功の大きな理由は小売の提携戦略にある。「わが社が世界中に持つ再販パートナーネットワークは巨大で、有利な競争力を有しており、われわれはこれを非常に大切に思っている」とHurd氏は言う。
HPの最大のライバルであるDellは、小売PC市場への参入を明らかにしているが、Hurd氏はこの件での取材陣やアナリストたちからの質問には答えなかった。Dellが伝統的な顧客への直接販売方式を変えるかどうかについて意見を尋ねられたとき、Hurd氏は答えるべきことはないと述べた。Dellは2006年にマーケットシェア第1位の座をHPに奪われ、業績回復の道を探っているところだ。
Microsoftの新しいOS「Microsoft Windows Vista」のリリースは第2四半期のHPのPC売り上げによくも悪くも特段の影響はなかった、とHurd氏は語った。
「Vistaによって何らかの前向き(な影響)があることは認識している。Vista(のリリース)で一気にVista効果があるとは見ていなかったが、年間を通じて好影響が得られるだろう製品だととらえている」(Hurd氏)
Imaging and Printing Group部門の売上高は前年同期から6%増加し、プリンタの出荷も11%増加しているのに加え、プリンタ事業での営業利益率を同四半期で16%以上に増加させている。第2四半期は同部門の最もよい結果が出るのが通例になっているが、反対に第3四半期は最も落ち込む傾向にある。
しかし、営業利益率とキャッシュフローの改善のために、HPにはさらにできることがあると、Hurd氏は語調を強めた。「われわれは転換途中にあり、完了したというには程遠い」
HPはこれからの2会計年度の間に、特にIT、不動産、企業サポート機能に関する分野で、さらなる経費削減を計画していることをHurd氏は強調する。これらの経費をこれから2009会計年度までの間に、2005会計年度と2006会計年度の間で減少させたよりもさらに減少させるつもりだと、とHurd氏は言い切った。
16日の取引におけるHPの株価は、46セントあげて45.21ドルで終わった。決算発表後の時間外取引では、45.49ドルまで上昇した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ