GlassFish JBoss Geronimo:それぞれのJava EE 5対応は?

荒浪一城

2007-06-22 10:00

 GlassFishにJBoss Application Server、Apache Geronimoと、メジャーなオープンソースアプリケーションサーバーがEJB(Enterprise JavaBeans )3.0やJPA(Java Persistence API)をサポート。また、商用でもOracle Application Server 10g Release 3、BEA WebLogic Server 10などがサポートする。

 EoD(Ease of Development)というキーワードのもと、Javaの開発の容易性を追求してきた、Java EE 5の本格的な普及がいよいよ見えてきた。ここでは、オープンソースの3つのアプリケーションサーバーについてとくにEJBとJPAについて触れておこう。

GlassFish

 GlassFishの特徴はJava EE 5のリファレンス実装であること。Sun Java System Application Server Platform Edition 9.xのベースともなっている。JPAの実装にはTopLink Essentialsが採用されている。

 ライセンスはCommon Development and Distribution License v1.0。現在はGlassFish V2及びV3が開発中である。GlassFish V2はBETA3のリリース間近、V3は開発が始まったばかりという段階だ。

 統合開発環境(IDE)との統合化も進んでおり、NetBeansでは5.5.1から6.0 M9まで幅広くサポートしている。Eclipse 3.2ではEclipse Daliプラグインを利用する。Eclipse 3.3(Europa)からは、WTP 2.0 RC3以降などからも利用可能になっている。GlassFishコミュニティのメンバーである、AjaxフレームワークjMakiもNetBeansとEclipseから利用可能だ。

JBoss

 JBossに関しては、5月11日にリリースされたJBoss AS 4.2.0.GAでEJB 3.0が標準で組み込まれた。従来、JEMSインストーラーでEJB3プロファイルを選択し、明示的にインストールする必要があったが、JBoss AS 4.2.xからEJB3.0が標準で入るため、JEMSインストーラーによる導入の手間が省ける。

 EJB3.0コンテナがデフォルトで組み込まれたことにより、システム要件としてアノテーションが導入されたJDK5が必須となる。JDK1.4.2などでは動作しない。JDK6は、公式にはサポートされていないものの、動作はする。JDK6の公式なサポートはJBoss AS 5.xからとなる。

 また、JBoss AS 4.2.xより、Java Server Faces(JSF)の実装が、Apache MyFacesからSun Microsystemsの参照実装(JSF RI)に入れ替えられている。さらに、Apache Portable Runtime(APR)を利用したハイパフォーマンスサーバーであるJBoss Web v2.x、JBoss Transactions v4.2の完全な統合なども行われている。JBossはEJB3.0とJSF1.2を容易に統合するJBoss Seamも提供している。

 今回取り上げる3つの中ではJBossだけがJava EE 5をフルスペックで満たしていない。Webサービスに関する部分がいまだクリアできていないコンポーネントとなっている。

Apache Geronimo

 Geronimoに関しては2007年6月4日に、Java EE 5互換性試験を通過したApache Geronimo 2.0-M6-rc1がリリースされている。Geronimo Java EE 5.0 Report Cardを参照すると、各スペック表に対応する形でどのオープンソース実装を採用したのかがわかる。Apache Geronimo 2.0の正式なバージョンの公開は、2007年6月末から7月に予定されている。

 Apache Geronimoはライセンスが特徴的だ。GPLやLGPLライセンスではなく、一部CDDLも含むもののBSD系のライセンスを採用している。そのため、ソースコードを改変しても公開する必要はない。

 EJB3.0の実装としてはOpenEJBを採用している。EJB 3.0への対応は3つのなかで最も遅かった。一方で、アプリケーションサーバーとしては様々なオープンソースプロジェクトの成果を取り込みながら、Java EE 5の互換性試験を通過している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]