セキュリティアプライアンスを提供するバラクーダネットワークスジャパンはネットワークへの侵入防止をはじめとするセキュリティ機能に、サーバの負荷分散(ロードバランシング)機能を組み合わせたアプライアンスの新製品「Barracuda Load Balancer」を発売する計画だ。
Barracuda Networksは、2002年12月に創業したベンダー。取り扱う製品は「Spam Firewall」「Spam Firewall Outbound」「Web Filter」「IM Firewall」といった、エンタープライズ、SMB市場をターゲットとしたネットワークセキュリティアプライアンスである。米カリフォルニアのマウンテンビューに本拠を構え、英国、中国、カナダ、豪州、日本および米国にセールスおよびサポートを行うオフィスを持つ。全世界での従業員は300人を数え、これまでに4万5000台の製品を出荷しているという。
Barracuda Networksの社長兼CEOであるDean Drako氏は、同社の戦略について「ターゲット、エンタープライズとSMB市場とし、ターンキーソリューションとしての使いやすいセキュリティアプライアンスの提供にフォーカスしている。価格体系は、ユーザー数によるライセンスを廃し、シンプルな、導入台数による年間サブスクリプション形式としている。また、セキュリティ更新データを定期的に自動配信する“エネルギー充填サービス”(オートアップデートサービス)も好評を得ている」と話す。
日本市場には2004年の7月に参入。製品としては「Spam Firewall」および「Web Filter」を投入し、教育機関やISP事業を行うCATV業者などを含め、1000台以上の導入実績がある。今回の「Load Balancer」は、日本市場における3シリーズ目の製品となる。
セキュリティアプライアンスの市場においては、いわゆるUTM(総合脅威管理)と呼ばれる、セキュリティ関連の総合的な機能を網羅した製品がトレンドとなっているが、今回投入される「Barracuda Load Balancer」は、ネットワークへの侵入防止機能およびセキュリティ機能に、サーバの負荷分散を組み合わせるという、ユニークな位置付けの製品となる。
負荷分散機能をセキュリティアプライアンスへ統合した狙いについて、Drako氏は、「これまでにも、Barracuda製品の顧客からは、一般的に販売されているロードバランサは高すぎるという声を聞いていた。SMBへ訴求する新たなアプライアンスを計画するにあたり、ロードバランサを使いやすい管理機能とともに低価格で提供することは、強い競争力になると考えた」と話す。
Barracuda Load Balancerの価格は、最大スループット95Mbps、対応サーバ数10台までの「モデル240」が67万5000円。最大スループット950Mbps、対応サーバ数35台、レイヤ7負荷分散、SSL負荷軽減などに対応した「モデル340」が90万円。対応サーバ数50台で内部ソフトウェアのプログラミングAPIが提供される「モデル440」が180万5000円。ハードウェアによるSSLアクセラレーション機能を備えた最上位の「モデル640」が406万円。いずれも、アップデートサービスに関する1年間のサブスクリプション料金が含まれる。