日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月29日、サーバやストレージ機器の障害を自動通報するサービス「HP通報サービス」において、新ツール「HP Service Essentials Remote Support Pack」(HP RSP)を提供開始すると発表した。
HP通報サービスとは、HPのサーバやストレージが自らハードウェア障害の予兆を検知し、障害箇所やその内容をHPのサポートセンターにインターネットを介して自動通報するサービスだ。このサービスは、標準保証以上の保守契約を結んでいる顧客に対し、無償で提供している。ほとんどの顧客は標準保証以上の保守契約を結んでいるため、ほぼ全顧客が無償でこのサービスを利用できる。すでに世界で25万台以上の機器にてこのサービスが利用されている。
日本HP HPサービス事業統括 グローバルデリバリ統括本部 サポートデリバリ本部 第一アカウントサポート 本部長の福本三芳氏は、「HP通報サービスを利用することで、保守作業までの時間が短縮でき、障害の発見や対応に必要となる時間やコストが削減できる」と話す。特にミッションクリティカル環境でシステムを運用する顧客は約80%がこのサービスを利用しており、「サービスを利用している顧客の約84%が『電話サポートより良い』と答えている」という。
これまでHPでは、通報ツールとして「HP Instant Support Enterprise Edition」を提供していたが、今後は今回発表した新ツールHP RSPも選択可能とする。対象台数やシステム環境に合わせて、どちらかを選択することになる。
HP RSPは、HPのサーバやストレージ製品に標準添付の管理ソフト「HP Systems Insight Manager」(HP SIM)のプラグインとなっており、多数のサーバやストレージが存在する環境でも容易にインストールできる。HP RSPが通報する障害情報はHP SIMを通じて収集されるので、複数の機器のイベントや情報を統一コンソールで参照できる。通報された障害ログも管理コンソールに統合して保存される。
またHP RSPは、インストールするだけで、自動通報の対象となりうるHP SIM管理下の機器とその保守契約情報を自動認識する。これにより、システム管理者は自ら対象機器を探したり登録したりする必要がない。HP RSP自身のアップデート情報も自動取得し、必要に応じてユーザーにアップデート作業を促す。さらに、HP RSPは機器の保守契約の期限切れを通知する機能もある。
2004年8月にヨーロッパ地域で行われたHPの分析によると、HP通報サービスを利用している機器は、利用していない機器よりも問題解決までの時間が20%短縮でき、診断の正確性はほぼ100%だったという。