日本コムシスは7月26日、社員の顔写真をPCで見ながら在席状況(プレゼンス)、相手先への状態にあわせた連絡方法を確認できる顔写真付き電話帳システム「ビジュアル・コミュニケーション・ガイド」(VCG)を8月から販売することを発表した。
VCGは、PCに社員の顔写真や氏名のほかにプレゼンスを確認でき、相手への連絡は、席に座っているなら内線電話で、不在ならメールを送るといったように、相手の状態にあった連絡方法を選択できるいう機能を、ユーザーに提供する。
相手への連絡は顔写真をクリックするだけですむ。相手の名字しか分からなくても、顔写真があることで人違うすることがない。プレゼンスは、PCを立ち上げると同時に表示されることから、ユーザー自らがプレゼンスに関連した操作をする必要がないという。
また顔写真付きのグループ電話帳が作成可能となっている。グループ電話帳は、作成者だけでなく登録されたグループメンバーで共有できることから、グループメンバーに一斉メールを送付したり、ワンクリックで電話会議を始めたりすることができる。
メンバー全員のプレゼンスを全員で把握できることで、在席しているメンバーだけで打ち合わせして、不在者には内容をメールで送付するといったことも可能だ。
VCGついて、同社のIP電話推進部長の相田悦男氏は、「プレゼンスを確認したうえでメールか電話かを選べることで、コミュニケーションの際のストレスを減少できる」という心理的メリットがあると説明。また顔写真で相手を確認できることから「安心感が得られるし、相手のイメージを形成しやすい」というメリットもあるとしている。
同社はまた、VCGが金銭的にもメリットがあることを強調している。相手の電話番号を探す時間、ワンクリックダイアルで発信手順の簡略化、不在の相手に電話をかけずにすむ時間などを試算して、50人の組織として年間942万円のコスト効果があると説明している。
VCGは専用サーバ、クライアントソフトなどから構成されているが、日本コムシスが提供するIP電話システム「comsip」と連携できるようになっている。
すでにcomsipを導入していて、VCGのみを導入する場合の価格(税別)は150万円、comsipとVCGを同時に導入する場合は400万円、既存の構内交換機(PBX)を活用して、VCGを導入する場合は500万円となっている。同社ではVCGの販売目標を年間100セットとしている。
ブラウザを活用して多拠点での会議を開ける「1000人ミーティング」
また日本コムシスは同日、本社、支店など多拠点から構成される企業で、社員が共通の資料をブラウザを活用して、同時に見ながら、会議ができるシステム「1000人ミーティング」の販売を開始したことを発表した。
1000人ミーティングは、ブラウザで音声通信をしながら会議の参加者に資料を見せることができるシステム。1つのシステムで最大100台の端末(PCと携帯電話)で、同時に10の会議を進めることができるという。多拠点間で双方向での音声での会議を進められるが、一方向の音声通信、いわば放送型での利用も可能だ。この機能で、たとえば多拠点に対しての全社会や朝礼などを開催することができる。このシステムも、comsipとの連携が可能だ。
執行役員の小野展義氏によれば、「多拠点に対する一斉連絡は、なかなか正確に情報が伝わらなかったり、伝わるまでに時間がかかったりするという問題が生じやすい。1000人ミーティングを利用すれば、そうした問題をなくすことができる」と、システムがもたらすメリットを説明している。
また多拠点間での会議は、その都度、どこか一カ所に社員を集めて行わなければならない。そこでは交通費や移動時間がかかることになり、頻繁に会議を開催するということができにくいというのが実情だ。1000人ミーティングは、そうした問題を解決する手段となりうる。
同社の試算によれば、全社員300人で5拠点、本社での会議に参加する人数が30人というモデルケースでは、1回の本社会議で175万円のコストがかかることになる。1000人ミーティングは、こうしたコストを削減できると説明している。
1000人ミーティングは専用サーバで構成されるが、価格(税別)は、comsipをすでに導入している場合で200万円、comsipと同時に導入する場合は300万円、既存PBXを併用して部分的に導入する場合が400万円となっている。