7月ウイルス検出は6月より微増、不正アクセスは大幅に減少--IPA調べ

吉澤亨史

2007-08-02 23:39

 独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は8月2日、2007年7月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。

 発表によると、2007年7月のウイルス検出数は約51万個と、6月の約50万個から3.4%増加した。また、7月の届出件数は3069件となり、6月の2898件から5.9%の増加となった。検出数の1位は「W32/Netsky」で約44万個、2位は「W32/Mytob」で約1万個、3位は「W32/Stration」で約1万個であった。Netskyが全体の86.2%を占めている。

 不正アクセス届出状況では、7月の届出件数は10件であり、そのうち被害のあった件数は8件。不正アクセスに関連した相談件数は25件であり、そのうち11件は何らかの被害に遭っている。被害届出の内訳は、侵入3件、その他5件であった。

 被害内容では、外部サイトを攻撃するための踏み台になっていたものが2件、フィッシングに悪用するためのコンテンツを設置されていたものが1件となっている。不正アクセスに関しては、6月よりも大幅に減少している。

 一方、相談受付の総件数は1162件に上り、集計開始以来最高の件数となった。内訳は「ワンクリック不正請求」に関する相談が316件(6月:285件)、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が16件(6月:12件)、Winnyに関連する相談が19件(6月:11件)などであった。ワンクリック不正請求に関する相談は、最高件数を記録した2007年3月の数値と並んでいる。

 またIPAでは、子供がアダルトサイトや出会い系サイトのような有害なサイトに、その危険性を知らずに興味本位で入り込んでしまった結果、PCに請求書を表示する不正プログラムが埋め込まれたという相談が多くなっていることから、ウイルス対策ソフトやWindowsを最新の状態に保つことや、安易にクリックをしないことなどを呼びかけている。

 さらに最善の予防策として、インターネット上の有害サイトにはあらかじめアクセスできないようにしてしまう対策ソフト(フィルタリングソフト)や、プロバイダによる有害サイト遮断サービス(フィルタリングサービス)の利用を勧めている。保護者がこのような予防策を行うことで、子供によるネットに公開されている有害な情報へのアクセスを未然に防ぐことができるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]