SourceForgeのコンテストで最優秀賞
日本での普及・発展のスピードが加速しつつあると言えるFirebirdだが、冒頭に紹介したように、世界全体では、そのプレゼンスは高い。
SourceForgeは、コミュニティーが主体となって、優れたOSSプロジェクトを選ぶコンテスト「Community Choice Awards」を開催し、この7月にその結果が発表されている(関連記事・SourceForge、「優秀なオープンソースプロジェクト」の投票結果を発表)。同コンテストの企業向けプロジェクト部門最優秀賞にFirebirdが選ばれているのである。これを見れば、Firebirdのワールドワイドでのプレゼンスの高さがうかがえるだろう。
またFirebirdは、同コンテストでユーザーサポート部門最優秀賞にも選ばれている。OSSは、開発する方に注力してしまいがちで、利用するユーザーへのサポートがどうしても疎かになってしまうのが常であることを考えると、この結果は興味深い。
これについて、木村氏は米国の「IBPhoenix」という企業によるものだろうと分析している。「IBReplicator」を含めて各種のFirebird関連ツールを扱っている同社では、Firebirdに関連するサポートを有償で展開しているが、無償でナレッジベースを公開したり、MLにおいても積極的な活動をしている。「Firebirdで分からないことをMLで質問すると、かなりの確率で納得のいく回答を得られる」(同氏)という。
なお、IBPhoenixには、Firebird(と、その起源であるInterBase)の開発に大きくかかわったAnn Harison氏が経営陣として在籍している(Harison氏の夫であるJim Sterkey氏もFirebird/InterBaseのキーパーソンだが、先ごろMySQL ABに移籍している)。
日本と異なる欧州でのプレゼンス
木村氏は日本での普及・発展を促進する意味からも、Firebirdに関連した海外でのイベントに積極的に参加しており、これまでにチェコやドイツ、ブラジルに足を運んでいる。
ブラジルでのイベントは、Firebirdを利用するユーザー企業をメインにしたもので、参加者が600人にも上るという。Firebirdは、ブラジル、ロシア、インド、中国のいわゆるBRICsでかなり利用されていると見られているが、そのプレゼンスが日本とは大きく異なっていることが分かるだろう。
東欧のチェコで開催されたイベントは、開発のコアメンバーを中心にした技術者のためのものであり、木村氏は2005年から参加している。こちらには全体で150人程度が参加しているという。このイベントに最初に参加したときに木村氏は違和感を感じたという。