データベースのイロハ:そもそもデータベースとは?

鈴木浩司(日本オラクル) 2007年08月27日 17時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本連載では、これからデータベースを使おうとしている方や、触ってみたいと思っている方、興味はあるけど難しそうだなという方を対象に、データベースとはどういうものかを理解して頂くことを目標とし、データベースの基本となる考え方や用語、仕組みについてお話していきたいと思います。

 では、早速始めましょう。

データベースとは?

 「データベース」という言葉を聞いてみなさんは何を想像しますか?データベースという言葉は最近ではよく頻繁に耳にする言葉です。そして、みなさんも意識しないところで様々なデータベースを利用しています。広義の意味では図書館もデータベースということもできます。また、銀行のATM、普段利用している携帯電話の電話帳もデータベースと言えます。

 では、一体どういうモノを「データベース」と定義しているのでしょうか?手っ取り早く辞書で調べてみましょう。今では便利なことに、インターネットで辞書検索できてしまうわけですが、こうしたインターネット上の情報も巨大なデータベースと言われますね。さて、「大辞林 第二版」では以下のように書いてあるようです。

「コンピュータで、相互に関連するデータを整理・統合し、検索しやすくしたファイル。また、このようなファイルの共用を可能にするシステム。」

 「データベース」とひとくくりで言ってしまうと、紙や電子ファイルなど他の媒体を介しているものも、広義に解釈すると含まれてしまいますので、本連載では、辞書に書いてあるように「コンピュータ」上のデータベースを前提として話を進めていきます。ここでデータベースについて整理したいと思います。

 イメージしやすいよう、図1にチャートにしてみました。絵の右側が、コンピュータ上に存在する様々なデータ1個1個のファイルです。それを、中央にあるデータベースという仕組みにデータとして格納します。そのデータを、左側にあるコンピュータなどの端末からデータベースにアクセスし、必要なデータを取り出します。この流れの中で、データベースは、データを整理して貯め、そのデータを情報として活用するために取り出しやすくする役割を負っています。―これがデータベースです。

図1 データベースとは 図1 データベースとは

データベースの語源

 ちなみに、この「データベース(Database)」という言葉は、いつからどのように使われるようになったのかご存知でしょうか?この「データベース」という言葉は、1950年頃アメリカ国防省において、複数に点在する資料保管場所を一箇所に集約し、そこに行けば全てのデータを得ることが出来るように効率化を図る目的で誕生したと言われています。つまり、一箇所に集約された場所を、情報(Data)の基地(Base)と呼び、これが今日のデータベースの語源とされています。

 ここで「へぇー」で終わってはいけません。注目したいのはデータベース=情報の基地という部分ではなく、「情報を集約して効率化を図った」というところです。これこそが、現在の企業の多くがデータベースを利用している大きな理由ではないでしょうか。

データベースとファイルとの違い

データの管理方法の変化

 コンピュータ上でのデータベースについて話を進めていますが、コンピュータが無かった時代は、データ管理はすべて紙を利用していました。伝票など、紙を使って人の手で処理していたのですが、コンピュータの登場により一部の作業(計算、集計)を人の手に替わってコンピュータが処理するようになりました。これが、コンピュータ利用の始まりでした。

 やがて、安価で高性能な良いコンピュータの普及により、コンピュータを利用する機会も多くなりました。コンピュータを使用すると、データの検索や蓄積が手作業に比べてはるかに容易になります。また、システムに必要とされる業務要件が変化し高度になっていくにつれ、「コンピュータを利用してデータを紙に蓄積し、活用する」というモデルから「コンピュータそのものにデータを蓄積し、活用する」というモデルに移行しました。さらにその後、コンピュータ上で動くデータベースが登場したことにより、「ファイルシステム」ではなく「データベース」にデータを格納するようになったのです。

 ではなぜ、ファイルではなくデータベースに格納するようになったのでしょうか?先ほど、データベースは「データを整理・統合し、検索しやすい仕組み」と言ったことを思い出して下さい。単に「データを格納する」だけでは、データベースとは言いません。この「データを整理・統合し、検索しやすい仕組み」を提供するものこそ、データベース管理システム(DBMS)と言います。DBMSの詳細については次回以降にお話したいと思いますが、ここでは一先ず、格納されたデータに対して、データを管理し、検索(活用)しやすい仕組みを提供するものと理解しておいてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
開発

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化