企業向けの「Microsoft Windows Vista」発売開始から1年が経過しようとしている。マイクロソフトでは、毎年5月頃にWindows製品などの導入状況を調査しているが、2007年5月の調査では、企業内でのWindows Vistaの導入率は0.8%、「2007 Microsoft Office system」の導入率は4.4%だった。
「このデータは、OEM PCでVistaが提供開始されてから約3カ月後の数字であることから、特に多いとも少ないとも言えない数字だ。ただし、Windows XPが出荷された時に調査会社が発表したデータでは、XPの導入率はこの数字よりずっと低かった」と、マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 業務執行役員の横井伸好氏は、10月22日に開催されたプレス向け説明会にて述べた。
横井氏は、「今、多くの企業で新しいデスクトップPCへの移行がはじまっている。つまりVistaと2007 Officeの導入も本格化してきており、把握しているだけでも約30万台の導入予定がある」としている。
VistaとOfficeの新たな導入事例として、横井氏は広島市の例を挙げた。広島市では、約3300台のPCにVista EnterpriseおよびOffice Enterpriseを導入、2008年3月に稼働する予定だ。同市では、ハードディスク暗号化機能「Windows BitLocker」と、アクセス権限管理機能「Information Rights Management」などを活用し、情報セキュリティの向上と質の高い行政サービスの提供を目指す。
マイクロソフトでは、今後もVistaや2007 Officeの導入を促進するため、導入にあたってのユーザーの課題を分析し、その課題を解決するためのソリューションを提供している。導入計画や検証、移行、展開、トレーニング、メンテナンスなど、段階別にコンサルティングなどを提供しているが、10月31日からは「デスクトップ導入計画サービス」において、Vistaおよび2007 Office対応のサービスを新たに提供する予定だ。
デスクトップ導入計画サービスは、ユーザーに合った導入や展開計画の立案を、ソフトウェアアシュアランスの特典として無償で提供するもの。デスクトップ導入計画パートナーがユーザーの環境を診断し、立案を行う。
横井氏は、こうした施策などにより「2008年5月には、Vistaの企業導入率が5%〜10%程度に、2007 Officeの導入率が15%〜20%程度になるのではないか」と見ている。