サン・マイクロシステムズ「会長」としてのマクニーリ氏に聞く

文:Marguerite Reardon  翻訳校正:アークコミュニケーションズ、坂野裕史

2007-11-09 08:00

 Sun Microsystemsの共同設立者で遠慮のない物言いで有名なScott McNealy氏は、最高経営責任者(CEO)として同社を22年間率いてきたが、会長室に押し込められた後も血気盛んな経営陣の1人であり、「引退」とはほど遠い状況にある。

 McNealy氏はAndy Bechtolsheim氏、Vinod Khosla氏、Bill Joy氏と共にSun Microsystemsを1982年に設立し、ドットコムブーム中の2000年には時価総額が2000億ドルに達するまで会社を成長させた。しかし、バブルが崩壊すると、Sun Microsystemsの多くの顧客は倒産したり支出を控えたりして、同社は厳しい時期を迎えた。会社の成長はゼロ近くまで減速し、投資家はMcNealy氏がレイオフに否定的で、低コストのテクノロジを生かすようにビジネスを適応させることができていないと非難した。

 変革を求める圧力に押されて、McNealy氏は2006年にCEOを退き、最高業務責任者(COO)であった41歳のJonathan Schwartz氏を後継として指名した。Sun Microsystemsの守護者が代わって以来、同社は広範囲にわたる変化を遂げ、売上も増大して収益性に優れた企業に戻った。

 Sun Microsystemsは多くのオープンソースプロジェクトから恩恵を受けながら、同種のプロジェクトで貢献しない企業として長く批判の的となっていた。しかし、新しい経営トップの下で同社は大きく路線を変更した。過去18カ月にわたって、「Solaris」オペレーティングシステムと「Java」言語に加え、「SPARC」プロセッサまでオープンソースコミュニティーが利用できるようにした。

 McNealy氏は何度も海外を飛び回っているが、CNET News.comは最近、カリフォルニアに帰る途中の同氏がニューヨーク市に立ち寄ったときにインタビューする機会を得た。率直な会長との遠慮のない対話は、同社のテクノロジをオープンソースコミュニティーに提供するという決定から、携帯電話市場や教育に対する同社の戦略、「アクティビスト」の投資家について見解にまで及んだ。以下はインタビューの記録を編集したものである。

--「Java」、「Solaris」、「SPARC」といったテクノロジをオープンソースコミュニティーに公開したのは、Sun Microsystemsにとって難しい決断でしたか?

 Sun Microsystemsは自社のソフトウェアを公開し始めたばかりだというのが最近の一般的な見解であることは知っています。しかし、実際には1982年からオープンソースソフトウェアを提供してきましたから、難しい決断かと聞かれれば、答えは「ノー」です。共同設立者のBill Joyが「Berkeley Unix」ソフトウェアを開発したときからオープンソース企業としてスタートしたのです。その後、TCP/IP、NFS、「OpenOffice」への取り組みがありました。Javaアーキテクチャをオープンソース化する前でさえ、他の企業の3倍ほどのコードを寄贈しています。

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