カリフォルニア州メンロパーク発--Microsoftは理想の結婚相手に何を求めるのか。
キラキラと輝く目と素敵な笑顔も悪くないが、Microsoftが買収のターゲットに求めるのはそれらとは別の2つの資質だ。それは、重要な知的財産とMicrosoftに留まる予定の優秀な技術分野の指導者だ。
Microsoftの買収を扱う部門でマネージングディレクターを務めるMark Wolfram氏は、「結局、われわれが企業を買収する目的は人材と知的財産のためだ」と述べた。Wolfram氏は米国時間11月27日に、VC Taskforce主催の朝食討論会に出席した。
Wolfram氏は、同氏が考える最小規模の買収とは何かとの質問に対し、2つの前提条件を満たしている限り、(買収による)利益が最小限ということはない、と強く主張した。Microsoftがこれまで買収した企業の中には、売り上げがゼロで、従業員数もわずか数人の企業もあった。また、Microsoftはまた、aQuantiveの買収に60億ドルもの大金を投じたが、5000万ドルで従業員50〜100人程度がMicrosoftにとってのスイートスポットになる傾向にある、とWolfram氏は語った。
(金銭的な利益よりも)人こそが、買収がまとまるか否かを決める原動力となる場合が多い、とWolfram氏は語る。
「かつて、ある人物がBill(Gates)に、これまでで最高の買収は何かと質問した。するとBillは、『Groove(Networks)さ。何しろRay Ozzieを獲得できたからね』と答えた」(Wolfram氏)
新興企業の最高経営責任者(CEO)でベンチャーキャピタリストでもあり、2007年7月にAdECNをMicrosoftに売却する支援をしたHenry Wong氏によると、およそ6カ月間ほとんど休止状態だったMicrosoftとの交渉の再開にはしばらく時間がかかったという。しかし、状況が良い方向に動きだすと、Microsoftはわずか数カ月間のうちにAdECNを買収した、とWong氏は語った。
「(Microsoftは)一度決断を下せば、あとはあっと言う間だ」(Wong氏)
Wolfram氏もWong氏の評価に概ね賛同した。Wolfram氏は「われわれは、動きだすまでに多少時間を要する場合もある」とした上で、Microsoftは入念に下調べをするのが好きだと指摘した。しかし、一度実行に移したいとの確信を持てば、「極めて迅速に行動できる」と同氏は語った。
Wolfram氏によると、Microsoftが最近行ったモバイル関連会社の買収はわずか3週間でまとまったが、それはまれな例外であり、大半の買収は最初の接触から9カ月〜1年の期間を要するという。