年末年始の休暇前。この時期は、今まで時間に追われてできなかったちょっとしたタスクに取り組むチャンスかもしれない。大半の企業は、営業していても普段ほどは忙しくないはずである。もしそうなら、のんびりと仕事をするのではなく、放置していたちょっとしたプロジェクト(長期間放置していたものもあるかもしれない)に取り組む時間をとることができる。今回は、仕事が普段ほど忙しくない時期だからこそ行えるこういったプロジェクトの例を紹介する。
#1:新しい仮想プラットフォームの評価を行う
現在の仮想環境に完全に満足しているだろうか?非常に魅力的な管理インターフェースや機能を持った仮想プラットフォームが数多く登場している。人は現在使用しているもの以外に目を向けなくなりがちなので、今の時期こそ、新しい仮想プラットフォームや管理方法を検討してみるとよいだろう。
#2:障害発生時や災害時の復旧メカニズムをテストしてみる
災害時の復旧メカニズムは重要であるため、時間をとって、適切な手順をすべて、あるいは一部でもテストしてみてはどうだろうか(手順が変わったのであれば、少なくとも該当のドキュメントを更新しておいてはどうだろうか)。これには、クリティカルなシステム用の予備機器のテストだけではなく、バックアップを使用した1からの復旧テストも含めておくべきである。こういったテストは、本番運用下でも、シミュレーション環境下でも行うことができる。
こういったメカニズムをテストすることには2つのメリットがある。1つはその手順に慣れることができる点、もう1つは実際の災害時にその手続きの実行に迫られたとしても安心できる点だ。
#3:機器の棚卸しを行い、使用しなくなっているものを撤去する
どのような目的であっても二度とスイッチを入れることがないと「わかっている」機器があるのではないだろうか?時間をとり、保有していても使用していないという機器を見極めるのだ(そして場合によってはハードディスクのデータを消去する必要もある)。今後その機器を使用しなければならない状況がありそうかどうかを真剣に検討し、不要と判断したものはリサイクル事業者に引き取ってもらうべきである。同種の機器を使用している顧客をサポートしているベンダーと取り引きがある場合には、その機器に対価(通常は次に商品を購入する際の割引か、サービス契約の値引き)を支払ってもらえるかどうか問い合わせるという手もある。
#4:ドキュメントを検証し、更新する
この項目に関しては、あちこちから不満の声が聞こえてきそうだが、今の時期はドキュメントの更新(あるいは遅まきながらの作成)に向いている。職場が静かな時期にはより優れたドキュメントを作成できる可能性が高いのだ--今までずっと、「このドキュメントを、質問がまったく出ないレベルにするにはどうしたらよいだろうか」と考えていたはずなのだから。
#5:機器が正しくラベル付けされていることを確認する
大半の人々は、ドキュメントの更新だけではなくラベル付けもあまりまめには行っていない。サーバがインストール時とは異なる目的で使用されているのに、そのラベルがインストール時のままだったと後になって思い出した経験はあなたにもあるだろう。また、ユーザーに特定の過ちを起こさせやすい機器があれば、そういった状況を説明するラベルを付けておくことも考えた方が良いだろう。そうしておけば、ヘルプデスクにかかってくる電話を減らせるかもしれない。
#6:追加のセキュリティ対策をテストし、実装する
過剰な権限が与えられているアクセスがないかどうかをチェックし、あれば適切な権限に変更しよう。こういったことは、システムの誤用や悪用に対する予防保守の機会だと捉えることもできる。この一例として、サービスやタスク用のアカウントには、ユーザーに割り当てられている一般的な権限ではなく専用のものを用いることが挙げられる。Windowsでは、ユーザーのログオンセッション中に全権限を有する特定ユーザーとしてログオンさせないようにする一方、「別のユーザーとして実行」を利用することでセキュリティレベルやアカウントのロールを委譲することが非常に有用だ。