12月のウイルス検出数は11月の約6割--IPA調べ

吉澤亨史

2008-01-07 19:36

 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は1月7日、2007年12月分と2007年の年間のウイルス・不正アクセス届け出状況を発表した。発表によると、12月のウイルス検出数は約34万個と、11月の60万個から約4割の減少となった。また、12月の届出件数は2239件となり、11月の2351件から4.8%の減少となっている。検出数の1位は「W32/Netsky」で約30万個、2位は「W32/Stration」で約2.3万個、3位は「W32/Mytob」で約1.1万個であった。

 不正アクセスの届出・相談の受付状況では、12月の届け出件数は14件であり、そのうち被害のあった件数は7件であった。不正アクセスに関連した相談件数は21件であり、そのうち16件が何らかの被害を受けている。被害届け出の内訳は、侵入4件、サービス拒否(DoS)攻撃1件、そのほか(被害あり)2件で、侵入届け出の被害内容はウェブサイトのコンテンツ改竄が4件で、そのうち2件はサイトにアクセスしただけで、ウイルスをダウンロードさせられてしまうような悪質なサイトへ勝手にジャンプさせられる仕掛けを埋め込まれていた。

 12月の相談総件数は389件。そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が43件と、11月の264件から激減している。これは11月末にワンクリック不正請求業者が逮捕されたことが影響しているとIPAではみている。そのほか、Winnyに関連する相談が19件(11月は31件)、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が11件(11月は14件)などとなっている。

 2007年年間のウイルス・不正アクセス届け出状況では、件数が3万4334件と、2006年の4万4840件から大幅な減少となり、2005年をピークに減少傾向にある。これは、大規模な感染拡大を引き起こす大量メール配信型のウイルスが出現していないことから、届け出件数が減少しているものと推測している。

 ウイルスは166種類(2006年は156種類)で、そのうち2007年に初めて報告されたウイルスは46種類であった。新たに報告されたウイルスは増加したが、感染が大きく拡大したウイルスはなく、届け出件数の上位は2006年と同じ傾向となっている。そのうち、検出数の多い順は上から、「W32/Netsky」「W32/Stration」「W32/Mytob」となっている。

 IPAではまた、毎月セキュリティ対策ソフトの押し売りのような行為に関する相談が相当数寄せられており、最近は表示されるメッセージや製品名も日本語になっていることから、騙されてインストールしないよう呼びかけている。ネットを利用していて突然、「あなたのパソコンからウイルスが発見されました」「あなたのパソコンにはエラーが発生しています」といった内容のメッセージ画面が表示されても、あわてて画面上のボタンを押さないことが大事としている。

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