フォティーンフォティ技術研究所のリサーチチームは7日、同日にジャストシステムが発表した複数の製品にまたがる脆弱性について、アドバイザリ「[FFRRA-20080107] ジャストシステム基本クラスライブラリにおけるバッファオーバーフロー脆弱性」を公開した。
ジャストシステムのセキュリティ情報「ジャストシステム製品共通のバッファオーバーフロー脆弱性」では、「当社製品の多くが共通して使用しているライブラリファイル」に脆弱性が存在することが明らかにされているが、フォティーンフォティ技術研究所のアドバイザリによると、これは「ジャストシステム基本クラスライブラリJSFC.DLL」であるという。
既報の通り(「ジャストシステムの汎用ライブラリに脆弱性:広範な製品に影響」)、本脆弱性は悪意ある文書ファイルを閲覧することで、文書ファイルに記述された任意のコードが実行される危険性があるもの。ジャストシステムでは、JTDファイルだけでなく、ジャストシステム製品が使用する他の文書ファイルにも影響があるとしている。
深刻度については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が共通脆弱性評価システムCVSS v2に基づき、6.8ポイントの「レベルII(警告)」と評価しているが、フォティーンフォティ技術研究所では「高」としている。なお、IPAではCVSS7.0以上を最も深刻な「レベルIII(危険)」と評価している。「警告」と評価される脆弱性に対して想定される脅威は、一部の情報が漏えいするような脅威、一部の情報が改ざんされるような脅威、サービス停止に繋がるような脅威、レベルIIIに該当するが再現性が低いものなどが挙げられている。また、日本時間の7日夜にSecuniaがアドバイザリ「JustSystem Products JSFC.DLL Buffer Overflow Vulnerability」を発行しており、深刻度を5段階中で4番目に重い「Highly critical」としている。
フォティーンフォティ技術研究所は2007年12月16日、本脆弱性をIPAに報告していた。