フリーライドから一歩進んで大人になろう--オープンソース支援のためにできる10のこと

2008-01-15 08:00

 われわれの大半は、オープンソースが良いことだということに同意するだろう。しかし、新鮮な果物や運動が身体に良いと言うのと同様に、オープンソースを口先で誉めるだけで何の行動もとらずに済ませるのはたやすいことである。

 オープンソースは本質的に壮大なアイデアに基づいており、それを厄介なものと捉える人もいれば革新的なものと捉える人もいる。このアイデアの根本にはコラボレーションがある。つまり参加だ。大勢の人が有益なものを作るために協力するということである。言い換えれば、自身の時間を提供し、その他の人々の時間という見返りを受け取るということなのだ。

 大勢の人がバグを発見して修正し、ニーズに対して迅速に対応する。これがオープンソースのマントラである。そして、人々が作業を分担したからこそ優れたソフトウェアが自由に利用できるようになっているということを示す素晴らしい例は数多く存在している。

 ソースコードが公開されているため、理論上は誰でも開発に参加し、オープンソースソフトウェアに機能を追加することができる。こうした改善は、その他の人々も利用できるようコードに反映されるのだ。

 あなたがオープンソースを利用するだけで満足しているのであれば、それでも問題はない。しかし、あなたが貢献したいと思っても(自らの抱えている問題に取り組んでいる人が他にいないという理由、あるいは今まで利用してきた対価を支払いたいというシンプルな理由であっても)、どこから手をつければよいかがわかりにくいこともあるはずだ。以下に挙げた項目を読んで、あなたもオープンソースに参加しようと思っていただければ幸いである。

1.有名なオープンソースソフトウェアを使ってみる

 Linuxを試してみるのは難しいことではない。予備のシステムがあるのであれば、無料のエディションの1つをインストールしてその動作を見てみてほしい。Linuxは、他のどのようなOSと比べても、古くて低機能なハードウェアで快適に動作する。インストールしてみれば、Linuxには数多くの有益なソフトウェアが搭載されており、制限が非常に少ないということがわかるはずだ。

 しかし、Windowsを(企業のポリシーのため、あるいはどうしても使い続ける必要のあるソフトウェアがMicrosoftのOSでしかサポートされていないために)使い続けなければならない場合であったとしても、オープンソースソフトウェアはWindows用にも数多く存在している。

 Firefoxのダウンロードは簡単であり、その支持者らによればFirefoxはInternet Explorerよりも安全でセキュアだ。Firefoxを利用していくうちに、その世界で名の通った開発者によって提供された、追加可能な拡張が用意されていることもわかるはずだ。

 また、OpenOffice.orgというソフトウェアもある。これはMicrosoft Officeと競合関係にある生産性ツールスイートだ。Linuxの専門家であるAlan Cox氏は「Linuxの世界以外でもオープンソースを利用するチャンスはたくさんある」と述べるとともに、「Windows上で行われているウェブベースのプログラミングの多くには、OpenOffice.orgやFirefox、PHP、Perlを始めとするオープンソースのツールが用いられている」と述べている。

 あなたがオープンソースを利用するのであれば、他の人にもそうするように勧めることだ。そして勧められた人々も同様に他の人に勧めることで、コミュニティが大きくなっていく。そのため、オープンソースを学習したり試してみたりするために時間をとるだけでも、オープンソースへの恩返しができるのだ。

2.会社で新システムを検討する際には、必ずオープンソースを選択肢として含めるようにする

 Vista導入の壁に直面しているWindowsユーザーは、今すぐこれを実践しよう。ユーザーに新OSを利用させようとすれば再トレーニングが必要となる。歴史的に見た場合でも、大規模な数のユーザーをLinuxへと移行させることは困難であった(ただし、移行に対するこの障壁は誇張されてきたと考えている人は多い)。

 しかし、Windows Vistaであまりにも大幅な変更が行われたことで、Windowsを使い続けたとしても今や、次のバージョンに移行するためのトレーニングコストがかかるようになっている。

 Cox氏は、全面的にオープンソースへと移行しない場合であっても、購入するハードウェア上でLinuxやSolarisが稼働するかどうかを将来に備えて確認しておく価値は十分にあるという。そうしておくことで、そのハードウェアを再利用したり、計画が変更になった場合でも有益に使用することができるのである。

3.オープンソース関するオンラインディスカッションフォーラムに参加する

 アドオンを探したいときや問題を明確にしたいときには、オンラインフォーラムに参加することになるだろう。フォーラムの投稿をいろいろと読んでみたり、FAQを読んだり、他の人の質問をざっと読んだりすることで、求めていたものを手に入れられる場合も多い。しかし、あなたの質問に適切な答えが見つからなかったとしても落胆することはない。それは、他の人々と交流するチャンスがあなたに訪れたということなのだ。質問してみれば、親切で役に立つ回答が得られる可能性は高い。そしてその回答は後で誰か他の人の役にも立つのだ。

 あなたは新しい情報を追っていけるようになる。また、やがては後から参加してきた人々の質問に答えるようになっていることだろう。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]