「ITで経営をデザインする」をビジョンに1991年に設立されたジール。同社のミッションは、顧客に高付加価値を提供するための仕組みをIT技術を活用して実現すること。まだビジネスインテリジェンス(BI)という言葉が一般的になる前から、さまざまなテクノロジを組み合わせて意思決定を支援する仕組みを実現してきた。
「今になって思えば、それがBIだった」と語るのは、ジールの代表取締役社長である山本秀典氏だ。同氏は、「過去を生かすデータの活用だけでなく、未来を創るデータの活用を目指している。古い技術、新しい技術に関わらず、ITを活用することで蓄積されたデータから新しい価値を生み出すソリューションを提供したい」と話す。
会社の設立当初は、必要な機能をすべて手組で構築していたが、さまざまなBIツールが登場するようになると「使えるものはすべて使おうと考えた」と山本氏。どんなツールでも100%満足できるものはない。長所もあれば、短所もある。そこで、ひとつのベンダーのパッケージにこだわるのではなく、必要に応じたツールを活用していこうと考えた。
山本氏は、「ひとつのツールにこだわってしまうと、そのツールが最適でなくてもユーザーに対して“このツールが最適です”とウソをつかなければならないときがある。ユーザーには、常に最適なBIソリューションを提供したいと思っていたこともひとつのツールにこだわらなかった理由だ」と言う。
適材適所のツール選択が可能な経験やノウハウを持っていることがジールの最大の強みといえる。山本氏は、「かたくなに守ってきた堅実さが、今後の差別化につながると思っている」と話している。
3度目のBIブーム
「現在、日本では3度目のBIブームが来ている」と山本氏は言う。
まず、BIの中核としてデータウェアハウス(DWH)が登場したのが1度目。このDWHに必要なすべてのデータが集約され、それを活用するためにさまざまなBIツールが登場したのが2度目だ。2度目までのBIブームは基本的にはバッチ処理であり、これをリアルタイム処理にするのが3度目のブームという。
